ストレス評価|社会的再適応評価尺度

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ストレス評価|社会的再適応評価尺度

社会的ストレス評価法

 

「社会的再適応評価尺度」をつくったのは、米国のホームズとレイだった。 

1960年代にアメリカの社会生理学者ホームズらが行った研究「ライフイベントとストレス」。

アメリカと日本の国民性の違いや現在では社会環境も変化し、

それに伴って感じるストレス状況にも違いが生じているが、

当時の研究結果によると、1年間に体験した生活上の変化の評点の合計点から、

翌年深刻な健康障害の起きる確率は・・・

150点以下なら30%、150~300点なら53%、300点以上なら80%以上となると報告している。

 

 

現在、「社会再適応評価尺度」は社会的ストレス評価法として用いられている。

 

●社会再適応評価尺度(ホームズとレイ)

 

【順位】 ライフイベント・・・・・ 生活変化単位値(life change unit:LCU)

【1】 配偶者の死・・・・・  100
【2】 離婚・・・・・・  73
【3】 夫婦別居生活・・・・・ 65
【4】 拘留、または刑務所入り・・・・・  63
【5】 肉親の死・・・・・ 63
【6】 自分の病気や傷害・・・・・ 53
【7】 結婚・・・・・ 50
【8】 解雇・・・・・・ 47
【9】 夫婦の和解調停・・・・・・ 45
【10】 退職・・・・・・  45

【11】 家族の病気・・・・・ 44
【12】 妊娠・・・・・ 40
【13】 性的障害・・・・・  39
【14】 新たな家族成員の増加・・・・・ 39
【15】 職業上の再適応・・・・・ 39
【16】 経済状態の変化・・・・・  38
【17】 親友の死・・・・・ 37
【18】 転職・・・・・  36
【19】 配偶者との口論の回数の変化・・・・・  35
【20】 約1万ドル以上の借金・・・・・ 31

【21】 担保、貸付金の損失・・・・・  30
【22】 仕事上の責任の変化・・・・・  29
【23】 息子や娘が家を離れる・・・・・  29
【24】 姻戚とのトラブル・・・・・  29
【25】 個人的な輝かしい成功・・・・・  28
【26】 妻の就職や離職・・・・・  26
【27】 就学・卒業・退学・・・・・  26
【28】 生活条件の変化・・・・・  25
【29】 個人的な習慣の変更・・・・・  24
【30】 上司とのトラブル・・・・・  23

【31】 仕事時間や仕事条件の変化・・・・・  20
【32】 住居の変更・・・・・  20
【33】 学校をかわる・・・・・  20
【34】 レクリェーションの変化・・・・・  19
【35】 教会活動の変化・・・・・  19
【36】 社会活動の変化・・・・・  18
【37】 約1万ドル以下の借金・・・・・ 17
【38】 睡眠習慣の変化・・・・・  16
【39】 親戚づき合いの回数の変化・・・・・  15
【40】 食習慣の変化・・・・・  15

【41】 休暇・・・・・  13
【42】 クリスマス・・・・・  12
【43】 ささいな違法行為・・・・・  11

 

 

*(精神科医 Thomas Holmes and Richard Rahe by「Holmes and Rahe stress scale」)

 

 

 

◆Holmes(ホームズ)とRahe(レイ)は、生活変化単位値(life change unit:LCU)

社会再適応評価尺度(social readjustment rating score:SRRS)を作成している。

社会的に再適応できるまでの時間を指標に、結婚を50、配偶者の死を100とする。

過去1年間に体験した日常生活上の出来事のLCU合計点が

200~299は約5割のものが翌年身体疾患が発症し300以上では約8割が発症する 。

ひとつひとつの出来事が低いスコアであっても、

それが重なれば疾病を引き起こしたり悪化させる割合が高くなることを示している。

さらに、"疾病に罹患する"というライフイベントは彼らのSRRSによれば、

LCU 53で6番目に高いスコアであり、疾患になること自体が大きなストレスであることを示している。

食事制限や、禁酒や禁煙など制限が新たなストレス性健康障害を生じる。

 

 

◆社会学者ホームズと内科医レイ(HolmesとRahe)は、

20年にわたり5000人を超える人々に面接し、

身体疾患の発症に先立つ生活上の重要な出来事43を抽出。

さらに397人の男女に、結婚生活の適応に要した負担の程度や時間を50点とした場合、

それぞれの項目の出来事は何点くらいのストレスに相当するかを評価してもらい表を作成した。

1年以上にわたって200~300点が負荷された場合、

その翌年には、半数以上の者は心身に何らかの問題を生じ、

300点以上の場合には80%の人々が翌年病気になることが見出されている。

ある程度点数が高いと(社会的ストレスが増すと)、重大な健康障害を起こしやすいと指摘した。

 

 

 

 

 

 日本とアメリカの文化的特性や社会慣習、経済構造を考慮する必要があるため、

この社会適応尺度を完全にそのまま日本人に適用することは難しいですが、

そのストレス状況の内容そのものは誰にでも多かれ少なかれ有害な精神的ストレスとなるものです。

過去一年間に自分に起きた出来事を振り返って、その点数の合計得点が300点以上ならば

約80%の確率でその年あるいは翌年に比較的重症の精神症状が出たり、

生活環境への不適応の問題が起こったりするとホームズは予期しています。

 

同様に、200~299点で50%の確率で心理的問題が起き、

150~199点で37%の確率で心理的問題が起きるという予測が立てられているので、

上記されたストレス状況がここ1年の間に立てつづけに起こっている場合などは、

適切なストレス・コーピングを行ったり、

信頼できる相手との親密なふれあいや気分をリフレッシュする趣味や活動などを通して

ストレスの悪影響を緩和することが必要です。



 

 【ストレス点数の評価】

過去1年間以内に体験したストレス点数の合計点 翌年に健康障害が生じる危険性

●150点未満 30%
●150~299点  50%
●300点以上  80%以上 

(夏目誠ら 1988 一部改変)
 

 

 

 

 

※【参考文献】


「カウンセリング大事典」2004 小林司/編 新曜社
産業カウンセリング入門2005 社団法人日本産業カウンセラー協会
産業カウンセラー養成講座テキスト2010 (社)日本産業カウンセラー協会
勤労者におけるストレス評価法(第1報):点数法によるストレス度の自己評価の試み、CiNii論文抄録

 

このブログ記事について

このページは、sscが2010年9月 9日 00:25に書いたブログ記事です。

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