心のケア
心のケア8 「喪失を受容するために」
◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
*正しい知識をもって適切に対処していきましょう。
【喪失を受容するための5つのプロセス】
●私たちはどのようにしたら、安定した境地に達することができるだろうか。
どうすれば、ありのままの現実を見つめることができるのだろうか。
私たちに投げつけられる喪失、変化、新しい出来事を、
どのように受容して行けばいいのだろうか。
最初から、まったく逆らわず、わめくこともなく受け入れることはできないだろう。
物事を受け入れる場合、私たちは5つの段階を経過しながら行っていく。
●アメリカの精神科医 「エリザベス・キューブラー・ロス」(1926~2004)は、
「究極の喪失」を、人間がどのようなプロセスを通して、受け入れていくのかを明らかにした。
彼女はそれを、 "悲嘆のプロセス" (グリーフワーク)と呼んだ。
●メンタルヘルスの分野では、死にかぎらず、いかなる喪失に直面する時でも、
同じようなプロセスをたどることが明らかになってきた。
例えば、1万円札をなくしたとか、待ち望んでいたメールが今日も来なかったといった
小さな喪失の場合にも、離婚、配偶者の死別、失業のような大きな喪失の場合にも、
同じようなことが起こるし、新しい家を購入して古い家を去る場合のように、
好ましい変化の場合にすら、起こりうることである。
●キューブラ・ロス女史の明らかにした「5段階のプロセス」
◆第1段階:否認と隔離
予期しない衝撃的なニュースをきかされた時、現実に起こった時、
そのショックをまともに受けないために、まず否認がおこる。
◆第2段階:怒り
喪失(死)という現実を認めざるえなくなると、
次に怒りや恨みがこれに取って代わるようになる。
「なぜ俺だけこんな目に会わなくてはならないのだ!」
この怒りが八つ当りとなって他者に向けられる。
◆第3段階:取引
次に人は神や仏に対して、失ったものをどうしたら取り戻せるか、
又は、延命できるか取引し始める。
例えば「もう何もいりませんから家族を還してください」云々。
◆第4段階:抑うつ
以上の段階をへて、それらが無駄であることを知って当事者はうつ状態におちいる。
現実を直視し、無力感が深刻となる。
それとともに「かけがえのないもの」との永遠の別れを覚悟するために、
他人から癒されることのない絶対的な悲しみを経験しなければならない。
◆第5段階:受容
自分自身の現実、現状を、静かに見つめることのできる受容の段階に入る。
最終的に「喪失」を静かに、そして穏やかに受け入れる段階。
【受容】
・受容は格別に快適というわけではない。実際は苦痛を伴う。動揺を禁じ得ない時もある。
受容へのプロセスが始まる時、私たちはショックを受け、パニック状態に陥ることが多い。
段階をすすむにつれて、混乱したり、傷つきやすくなったりする。
さびしく、孤立感をつのらせる場合もある。
まだ受け入れていない事実について、
私たちは、このようなプロセスを通過して受容して行くのだが、
「悲嘆のプロセス」の複数の段階が同時にやってくることもありうる。
否認、抑うつ、取引、怒りが一度に殺到してくることも考えられる。
自分がある状況を受け入れようと苦闘しているという事実すら、
実感できない時があるかもしれない。
小さな喪失なら、この5段階のプロセスを通過し終えるのに
30秒ほどで済むかもしれない。
重大な喪失の場合は、数年間かかるかもしれない。個人差は大きい。
しかも、この5段階はあくまでも図式モデルであって、
誰でもこのプロセスを正確にたどるわけではない。
時には、途中で一つ前の段階へ戻ったり、
二つ先の段階へ飛んだりと行ったり来たりすることもあるだろう。
怒りから否認へ、否認から取引へ、さらに取引から否認へ戻るといった具合に。
いずれにしても、私たちは速度や道程には関係なく
この段階を進んでいかなければならない。
エリザベス・キューブラー・ロスは、それが正常な過程であるばかりでなく、
必要不可欠な過程であり、全段階が必要だと述べている。
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●心のケア8 「喪失を受容するための5つのプロセス」(2010.2.3 再掲)