フォーカシング

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フォーカシング focusing| ユージン・ジェンドリン

 

 

◇フォーカシング、焦点合わせ、照準づけ focus(s)ing

まず、気がかりなことを思い浮かべて、それを頭がどう理解しているかではなしに、

身体の中で感じられている感覚に注意を向け、問題を全部包み込んでいる丸ごと、

全体としての一つの大きな気分を感じるようにし、経験そのものに触れる事によって、

そこから自然に示されてくる意味に気づき、新しい力や方向性を得るようにさせる心理療法。

 

 

◆フォーカシングは心理療法のひとつであり、自己理解と体験学習を促すための方法である。

1960年代から、アメリカのジェンドリンによって開発され、他にはヒンターコック法などもある。

 

「体験学習」を具体的に言えば、人間の内的変容である。

内的変容とは、外界の出来事にとどまることなく内面深く物事を感じ取ることにより、

問題解決を生み出す現象を意味している。

 

【具体的な段階化】

1:外界の出来事にふれる

2:外界の出来事+自分についてふれる

3:外界の出来事+個人的反応についてふれる

4:反応的感情+内的感情を表現する

5:自己描写+問題提起をする

6:問題提起+答えを見出す

7:6以上の答えに対し確信的であり拡張的である

 

 

・フォーカシングの特徴は、以上の過程のうちで一つの問題について、

身体感覚に注目するところにある。漠然としているが、

明確に感じられる身体感覚「何かの感じ」(フェルト・センス felt sense )にいろいろ問い合わせると、

新たな問題が見え、その問題についての身体感覚から、また別の問題が問題となって行き、

問題の変容の間に関連性がつき、また個人にとって、

より中核的だと思われる問題の出現によって身体感覚から、

OKというサイン(フェルト・シフト felt shift )が出てくる。

 

このような身体感覚に注目し、これを利用して個人の心の「問題」について、

何らかの変容を図るのが、フォーカシングである。

これは、外界の出来事だけを話すクライエントよりも、

「感じ」「感覚」を話すクライエントの方が治りやすい、というジェンドリンの発見に基づいている。

  

 

 

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【フォーカシングの方法】

 

(A) 間(クリアリングスペース)を置く

・日常的な心配事に入り込まず、それについては脇に置くようにする。そして、「どうしていますか」

「何か気になっていることがありますか」と、自分で自分に問いかけてみる。

 

(B) (A)で列挙された気になる事の中からひとつを選ぶ

・気がかりなことの中から一つ選ぶ。これは具体的な事柄の方が良い(例:母が口うるさいこと)

 

(C) フェルト・センス felt sense をつかむ

・胸部や腹部にある、まだ明確でない意味を含んだ感覚をつかむ

(例:さみしいような、なんとなく胸がつまったような・・・という感じ)

 

(D) 取っ手[カバンの] (ハンドル)を付ける

・フェルト・センスに、それにぴったりくる言葉やイメージをつける(例:胸を風船で押された感じ)

 

(E) 取っ手の確認

・取っ手を確認し、言葉やイメージを身体の中に響かせ、その見出しを使うと

フェルト・センスの全体が現れるかどうかやってみる。

 

(F) 問いかけ:問いかけを行う

・このことの何が~みたいな感じなのか。何があれば(起これば)いいのだろう。

この取っ手が一番ひどくなったら、どうなるのだろう。

 

◇ここで問題の感じ方に変化を起こして開放感を得る。

そして解放感とともに気づきを待つ(フェルト・シフト)。

ここでフェルトシフトが起きない場合は、フェルト・センスに戻り、2ラウンド・フォーカシング、

3ラウンド・フォーカシングを行う。

 

(G) 受容

・自分の気づきや気持ちを優しく肯定的に扱うこと。

 

 

 

● 以上のような体験過程を経て、内的変容に至る心理療法をフォーカシングという。

 

 

 

 

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【ユージン・ジェンドリン Eugene T. Gendlin】 (1926年-~)

 

・アメリカの哲学者・臨床心理学者で、体験過程(Experiencing)理論を提唱し、

フォーカシング(Focusing)を創始した。

 

 

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※【参考文献】


「カウンセリング大事典」2004 小林司/編 新曜社
「フォーカシング」1982 ユージン・ジェンドリン 福村出版
「やさしいフォーカシング」1999 アン・ワイザー・コーネル コスモス・ライブラリー出版

 

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このページは、sscが2015年1月15日 00:02に書いたブログ記事です。

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