ssc: 2010年6月アーカイブ

知識労働者のうつ病の予防・早期発見

 

 

ある企業では、人事異動後のフォローとして異動して3カ月目に
本人に疲労・抑うつの自己チェック、および緊張、不安の自己チェックをしてもらっている。
精神科医がその結果を本人に説明しながら仕事の状況について面談する。
医師が経験を積むと、うつ病の発症前の特有の疲労の蓄積、
そして緊張の蓄積があることがわかってくる。

 

 

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【知識労働に内包される二つの問題点】

・知識労働者は仕事との関係において二つの問題点を

内包する形になる。

その一つは仕事に対する一体化・過集中とその限界であり、

もう一つは専門領域へのアイデンティティとその危機である。

この二つの問題点から知識労働者にうつ病が生ずるときに2種のタイプが現れる。

 

 

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【タイプ1:仕事一体化型】 うつ病の予防・早期発見

 

・仕事一体型では、過集中状態の中に単純なミスが増えてくる。


 

 

 

 

【タイプ2:知識専門職型】 うつ病の予防・早期発見

 

・知識専門型では、職場異動や昇進後に仕事の質に対する違和感、緊張の蓄積が生じてくる。

 

 

 

 

 

 

 

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※【参考文献】:「産業カウンセリング」2010.4 NO.272 
         *診療の窓から/第2回 御茶ノ水医院/市川光洋

知識労働とうつ病

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知識労働者と知の病理

 

知識労働者のメンタルヘルスを維持するためには、
知の病理について知っておく必要がある。

1つは精神というソフトウェアは
脳というハードウェアの上に乗っているという問題である。

知をつかさどる精神というソフトウェアは疲れを知らない。
物理的な実態はソフトウェアにはないからである。

 

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【知識労働に内包される二つの問題点】

・知識労働者は仕事との関係において二つの問題点を

内包する形になる。

その一つは仕事に対する一体化・過集中とその限界であり、

もう一つは専門領域へのアイデンティティとその危機である。

この二つの問題点から知識労働者にうつ病が生ずるときに2種のタイプが現れる。

 

 

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【タイプ1:仕事一体化型】

 

・このタイプ1:仕事一体型の人たちは、霞が関の公務員にもいるし、
コンサルティングファームにも、銀行員にもいる。
彼らは、精力的な人たちである。性格も明るく、部下に信頼される。
職場の中でも自然とリーダーとなっている。
過集中の状態で仕事をし、それが成果を出せばまた次の仕事を任される。
それを達成するとまた次の仕事を任される。

これは一種の「定向進化」の状態である。

一度方向性が決まると、無限にその方向に事態が進んで行く。
しかし、この達成と過集中を続けていくと何年か(概ね5~7年前後か)で
限界がくる。それを越えると、過労と能力低下の悪循環に入っていく。
最初は達成感を持って仕事をしていたものが、
今度は仕事に追われるようになり、課題を達成するためにだけ
仕事をやっていくという状態に陥っていく。


 

 

 

 

【タイプ2:知識専門職型】

 

・タイプ2:知識専門型は、企業よりも自分の専門領域にアイデンティティを有するタイプである。
このタイプは技術者として優秀である、30代半ばくらいで管理職になることが多々ある。
理系の職業で言えば、研究職からリーダーやプロジェクトマネージャーになるといったことである。

こうなると本来は研究・技術開発を続けたいにも関わらず部下の人事的管理が職務の中心となり、
その結果、仕事に適応できず、アイデンティティの危機が生じてくる。
このような問題は理系文系問わず発生する。
彼らは人間関係を割りきったり、頼ったりするのが苦手な非政治的なタイプである。

 

 

 

 

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【タイプ1】

 

仕事一体化型の知識労働者が、過集中のまま疲労を覚えずに仕事を続けているのは、
精神そのものは仕事によって疲労しないからである。
しかし脳は物理的な実態であり、ハードウェアには使用の限界がある。

ただ、脳の疲労は筋肉とは異なり実感するのが難しい。
「凡ミス」「同時並行処理力の低下」「生活のリズムの乱れ」などが、
脳の疲労の兆候であるが、これは本人も周囲もなかなか気づきにくい。

もうひとつの問題は、精神の定向進化である。
定向進化は、もともとは生物の進化論における概論の1つであるが、
現在では広くシステムのもつ特徴のひとつと考えられている。

 

あるシステムが1つの方向性をもつと、
環境との関係が切り離されてその方向に進んで行く現象である。
知識労働においては、専門性が一度確立されると、
周囲の変化とは別に専門領域のアイデンティティが進んで行くことが
この定向進化である。

 

この定向進化から離脱するためには、
一度できた仕事の専門領域へのアイデンティティを捨てなくてはならない。
これにはある種の「悟り」を必要とする。

実際にはそこまでしなくとも環境調整でアイデンティティを保ちながら
仕事を続けることが可能である。

 

知の病理とその対応は、今後当分の間、
都心の精神科クリニックにおける「仕事の精神医学」の
メインテーマの1つであり続けるであろう。。。

 

 

 

 

 

 

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※【参考文献】:「産業カウンセリング」2010.4 NO.272 : 2010.6 NO.274 
         *診療の窓から/第2回 御茶ノ水医院/市川光洋
         *診療の窓から/第4回 御茶ノ水医院/市川光洋

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