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ピグマリオン効果 (ぴぐまりおんこうか) *教育心理学

 

ピグマリオン効果とは、

人の成長は周囲の評価や扱い方に影響を受けるとし、

「周囲がプラスの印象を抱くと、

実際にプラスの方向へと結果が現れる」という、

教育心理学分野における法則。


 

ピグマリオン効果は、アメリカの教育心理学者 

R.ローゼンソール(Rosenthal)が、

1964年に行った実験で実証された。

 

 

彼は、ある小学校で、

「ハーバード式突発性学習能力予測テスト」と名付けたテストを実施。

テストの内容は、実際にはごく一般的な知能テストだが、

教師には今後の成績の向上を予測できる特殊なテストであると伝え、

テストを受けた生徒の中からランダムに抽出し、

学級担任に「この生徒は今後成績が伸びる」と伝えた。

 

そこで選ばれた生徒とその他の生徒の成績の伸びを比較したところ、

選ばれた生徒の方がより高い伸び率を示した。

 

 

この実験によって、

「人は周囲から期待をされると、期待をされない場合よりもより成果を出す」

最終的に成績が向上したという論文をまとめ、

これを「ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)」と名付けた。


※「期待」と「成績アップ」には因果関係がある。

 


 

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☆ピグマリオンとは、

ギリシャ神話にでてくるキプロスの王で彫刻の名人に由来。

 

彼は自分の理想とするすばらしい女性の像を彫り、

あまりの美しさにうっとりしてその彫像に恋をしてしまった。

「ああ、これが血の通った人間であったら・・・」と、

くる日もくる日も思い続けた。

 

愛の女神アフロディーテはこれを哀れに思い、

神通力で彫刻に命を与え、人間にした。

そして2人は結婚し子供までもうけた。

 

そこで「人が心から願うこと期待することがよい結果を生む」として、

ピグマリオン効果と名づけたのが由来。

 

 


ギリシャ神話の伝説から、

強く信じ続けて行えば、

願いは必ずその通りになるというもの。

 

 

何事も現状を否定的に決め付けず、

常に自分の理想とする姿に自信を持って進み続ければ、

やがて予想もしなかったような良い結果が得られ、

理想は現実のものとなる。

 

 

ローゼンソール効果、教師期待効果とも言う。

 

 

願い続ければ、それは現実になるエネルギーを持つようになる。

 

そしてそれはやがて真実になる!

 

(「強く信じ続けることは現実化する」ということを意味)

 

 

 

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★ピグマリオン効果とは正反対の意味を持つのがゴーレム効果。

 

周囲が誤ってマイナスの印象を抱くと、

実際にマイナスの方向へ結果が現れるという現象。


例えば上述のテストの例とは逆に、

教師が生徒と接する際に、

この生徒は成績の良くない生徒だと思いながら,

期待度の低い状態で接すると、

その期待通りにその生徒の成績が下がることがある。

 

 

「ゴーレム」とはユダヤの伝説にある意思のない泥人形のことで、

ゴーレムを作った主人の命令だけを

忠実に実行する存在であることに由来。


 

 

ピグマリオン効果もゴーレム効果も、

ビジネスの世界においても同様のことが起きます。

例えば、上司から期待されている部下とそうでない部下とでは、

期待をされている部下の方がより良い結果を出している例がある。

 

上司は期待している部下に対し、

コミュニケーションを密にとるため、

その際、直接ノウハウを伝授されたり、

叱咤激励されることで、部下のモチベーションが高まるため。

 

会社で上司の立場にある方は部下を信頼する、

また部下の立場にある方は上司の期待に応え、努力をすることも重要。

 

そうすることでより良い組織づくりが可能となるでしょう。


※ 注) うつ状態の方への叱咤激励や過度な期待は禁忌。

 

 

 

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◆ R.ローゼンソール(Rosenthal)1933 ~

 

米国の心理学者。元・ハーバード大学教授。

1956年カルフォルニア大学で臨床心理の学位を取得。

'57〜62年ノース・ダゴタ大学を経て、

ハーバード大学に移り臨床心理学の講師を務める。

対人行動及びコミュニケーションが研究領域で、

特に日常生活においても観察される実験者効果に関する一連の研究が有名。

生徒の学習成績が教師の抱く期待に影響を及ぼすという、

ピグマリオン効果を共同研究で明らかにしたことで知られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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モラトリアム(精神分析学) moratorium

 

 

モラトリアム(精神分析学) moratorium

 

E.H.エリクソンの提案した精神分析学の用語。

青年期にはそれまで親の保護の下の一定のルールの中から抜け出し、

未来の可能性の中から自分の進路を選択していかなければならない。

 

職業や結婚など人生のかなり永続的な選択をすることを猶予され、

自分の生き方を模索試行し、大人への準備をする期間を、モラトリアムという。

 

本来は戦争や災害などの緊急時に、

銀行などの金融機関が預金の支払いを猶予することをさすが、

エリクソンが、

青年は社会への参加を一時的に免除または猶予されていることを表す用語として使った。

 

青年は、職業や結婚などの社会人としての義務や社会的責任を猶予され、

その間に様々な役割を担うことを通じて、自らの可能性を試し、

社会の特定の分野に自分に適した生き方を探し出す。

 

このような青年の自己探求のための期間を、

エリクソンは心理・社会的モラトリアムと呼んだ。

 

これに対して精神分析学者の小此木啓吾は、

人生の選択をさけて、

いつまでも猶予状態にひたりつづける青年を、

モラトリアム人間(moratorium personality)と呼び、

自己選択ができない現代青年の未熟さを分析した。

その背景には,社会の変化が加速度的であり、

アイデンティティを見つけきれないという現実があるといわれる。

 

 

 

 

 

【参考文献】

「モラトリアム人間の時代」 小此木啓吾/著  中公文庫

 

 

 


 

エリザベス・キューブラー=ロスが、

『死ぬ瞬間』の中で発表したもの。

 

以下のように纏められている。

※すべての患者がこのような経過をたどるわけではないとも書いている。


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『死ぬ瞬間』までの経過


  1969年、今からおよそ18年前、

当時43才だったキューブラー・ロス女史は

『死ぬ瞬間』を発表する。

 

この本はノン・フィクションとしてはかつてない売れゆきを示すが、

彼女が本当に有名になるのはそのあとである。

 

同年11月21日付けの雑誌『ライフ』に、

彼女と死を間近かに控えた患者との記事が取り上げられた時からである。

この雑誌はたちまちのうちに売り切れになった。

しかしこのなかで取り上げられた病院側の教授や指導医師達は、

この記事をみて怒り狂ったのである。  

 

 「我々は何年もかかって、この病院がガン治療に優れていることを知らせようと頑張ってきた。

それなのにこの女(ロス女史)がやって来て、

死んで行く患者で我々を有名にしようとしているのだ!」

 


  この時以来、彼女は病院中の除け者になり、

彼女がやっているセミナーも、大部分が空席になったという。

まさに彼女は孤立無援の境地に立たされたわけである。

しかし、しばらくして素晴らしい贈物が彼女を待ち構えていた。

 

『ライフ』社に彼女宛の数多くの末期患者からの感謝の手紙が届けられ、

その中には医科大学や教会からの講義やセミナーの依頼もあったのである。

  それから2年後の昭和46年

『死ぬ瞬間』が日本語に翻訳された。

 

昭和62年現在までで20万部以上が売れている。

この本は、彼女が200人の末期患者と面接し、

彼らの心理状態を、直接患者と接している医師の教育の一環としてまとめあげたものである。


   死は5つの心の変化を経ていく。 

 

この本の中で、末期患者であると知らされた患者は、

死を受け入れ、死に至るまで、5つの段階を経るといっている。




〈第1段階〉否認と隔離


予期しない衝撃的なニュースをきかされたとき、

そのショックをまともに受けないために、まず否認がおこる。


〈第2段階〉怒り

死という現実を認めざるえなくなると、

次に怒りや恨みがこれに取って代わるようになる。

「なぜ俺だけこんな目に会わなくてはならないのだ!」


この怒りが八つ当りとなって看護婦に向けられ、

そのためまわりの人間はよけいに患者を避けるようになる。


〈第3段階〉取引


次に人は神や仏に対して、

自分がどうしたら延命できるか取引し始める。

例えば「もう財産はいりませんから命だけを与えてください」云々。



〈第4段階〉抑うつ


以上の段階をへて、それらが無駄であることを知って患者はうつ状態におちいる。

病気が進行し、衰弱が進んで、無力感が深刻となる。

それとともに、この世との別れを覚悟するために、

他人から癒されることのない絶対的な悲しみを経験しなければならない。



〈第5段階〉受容


次は患者は、来たるべき自分の終えんを静かに見つめることのできる受容の段階に入る。

「長い旅の前の最後の休息」のときが来たかのようである。

このときの静かな境地をデカセクシス」と呼ぶ。



 

  以上がロス女史が提案した

「死への心理の5段階」である。

 

すべての人が、この5段階をたどって、死を迎えるわけではない。

ある段階にとどまってしまう人。

ある段階を飛び越える人。

錯綜する人も多い。

しかし一般に死が近づくと、無意識に死を悟るものだといわれている。

 

人は死を成長の機会とし、

静かに尊厳なる死を迎えるための心構えが必要である。

このようにロス女史は希望している。


  「尊厳なる死とは、その人らしく死ぬということであり、

我々回りの人間の鋳型にはめこまないことである」。

彼女が『死ぬ瞬間』でインタビューした200人あまりの人は、

「平和と尊厳」のうちに死んだという。

 



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臨死体験の謎


  臨死体験をすると、魂は肉体を抜け出て、トンネルのなかに吸い込まれ、

その向うに大きな光を見るとい う、数多くの記録が残されている。

 

ロス女史も、患者の口から、

直にこうした体験を何度も聞き、またこうした体験が、

臨死患者に大きな精神の変化をもたらしているのを眼の当りにしてきたのである。


  彼女の死後のプロセスの研究によると、

第1段階は、精神が肉体から離れ、浮遊していく段階。

自分が寝ている姿を上ら見ることができ、

他人の気持やどうしてこの世にとどまれないかを理解出来るようになるという。


  第2段階では、夢のなかに居るようで、

人はどんなに離れているところでも、

一瞬にして行くことができるという。

 

アメリカで死んでも、東京の両親のことを考えると、

その瞬間に東京に飛んで行ける。

 

そしてこの再会のあとに、人間ではコントロールできない領域に入って行く。

 

  第3段階は何かむこうからの移行を意味する光を見るという。

それは操作できない霊的なエネルギーで、

この光を見たものは至福の境地を味わうという。

 


  第4段階は生との繁りが失われ、

愛や慈悲の気持に包まれてしまうという。

 

ここで初めて人間が一人一人完全のまま、

必要な知識を備えて生れてくることを認識する。

 

自分の人生とは、生きている間の各瞬間に、

自分が下してきた一つ一つの選択の総和であることが、ここで気づくのである。

 


 


※彼女の講演

「死・成長の最終ステージ」は、『宇宙意識の接近』(春秋社)のなかに収録されています。

 

 

 

 【エリザベス・キューブラー=ロス】

(独:Elisabeth Kübler-Ross、1926- 2004)

アメリカ合衆国の精神科医。

死と死ぬことについて関する書『死ぬ瞬間』(1969年)の著者として知られる。

 

著書において、彼女は初めて今日では「死の受容のプロセス」と呼ばれている

「キューブラー=ロスモデル」を提唱している。

まさに死の間際にある患者とのかかわりや悲哀(Grief)の考察や

悲哀の仕事(Grief work)についての先駆的な業績で知られる。

 

 

 

 

 

 

 

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