ssc: 2018年4月アーカイブ

社会的学習理論

 


人の学習については、

多くの心理学者や教育学者が研究を積み重ね、その結果を発表しています。

その中でも有名な学習理論の一つが、バンデューラの社会的学習理論。

 

 

社会的学習理論は、

他の学習理論に大きな影響を与えた理論で、

ソーシャルスキルトレーニング(Social Skill Training:SST)の

ベース理論の一つにもなっています。

 

 

 

【バンデューラの社会的学習理論】

 

社会的学習とは、特定の分化に所属する人が、

他人の影響を受けて、

所属する文化で適切な態度、習慣、価値観、行動などを身につけていくこと。

 

社会的学習理論とは、

社会的学習について、直接の体験だけでなく、

むしろ、他人の行動を意識的に観察し、

マネすること(モデリング)で成立すると説明する理論。

 

 

 

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カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した理論。

 

社会的学習理論が登場するまでの学習理論では、

学習する人の行動に対して、

外から何らかの刺激が加わること(学習する人が直接経験すること)で

学習が成立すると考えられていました。

 

つまり、何かを学習したい場合、

その人が実際に経験して行動しないと学習できないと考えられていたのです。

 

しかし、社会的学習理論では、学習する人が直接経験せず、

他人を観察してマネすること(モデリング)でも

学習が成立することに着目しました。

 

例えば、子供にコップを形や色、

大きさで分ける課題にチャレンジさせる時に、

最初から子供にさせるより、

パパママが先にやるのを見せてからさせた方が

学習がはかどることが多いものです。

 

この例では、

子供はパパママをモデルとして行動を観察し、マ

ネをして、分け方を身につけると考えます。

 

また、モデルの対象は人だけでなく、

映画、マンガ、アニメの登場人物などでも成立すると説明しています。

 

 

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【社会学習理論におけるモデリング】

 

モデリングとは、他人の行動を観察してマネすることで、

行動パターンの学習を目指すことです。

 

モデリングによって、新しい行動を正確に身につけたり、

適切な行動を促したり、不適切な行動を抑制したりすることができます。

 

モデリングは、大きく4つの過程に分類することができます。


•注意


•保持


•運動再生


•動機付け

 

 

 

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モデリングの過程:注意

 

注意とは、モデルにする対象とその特徴に注目して見る過程。

モデルとなる対象は、

パパママやきょうだいといった身近で親和している人や、

尊敬したり親和したりしている人の他、

テレビに登場する有名人や漫画・アニメのキャラクターなども含まれています。

 

モデルから受ける刺激と、観察する側の子供の特性の両方が影響します。

 

 

モデリングの過程:保持

 

保持とは、観察したモデルを記憶として脳に保持する過程です。

モデルにする対象の特徴や行動を抽象化して言語化、

イメージ化することで脳内にインプットして保持します。

また、保持の過程においては、脳内でモデルの行動を

何度もマネすることが効果的だと考えられています。

 


 

モデリングの過程:運動再生

 

運動再生とは、保持した記憶を行動として再生し、行動を修正する過程です。

運動再生の過程を経ることで、

脳内に保持されているモデルの行動(イメージ)と、

自分の行動(現実)のギャップに気づくことができます。

 

そして、イメージと現実のギャップを認識し、

現実の行動に修正を加えることで、

モデリングの精度を上げることができます。

 

 

モデリングの過程:動機づけ

 

動機づけとは、

学習した行動を実践するための動機づけを行う(モチベーションを高める)過程。

動機づけには、自分自身で動機づけを行う自己強化、

モデルから受ける代理強化、周囲からもたらされる外的強化があります。

 

 

 

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バンデューラの社会的学習理論の基礎とモデリング

社会的学習理論は、

教育現場などを中心に様々な分野に影響を及ぼしている理論。

 

 

 

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【バンデューラの実験】

 

子供たちを実験群と対照群の2つのグループに分け、

実験群の子供たちには、おもちゃの部屋で

1人の大人が風船のように膨らませた「ボボ人形」に乱暴しているのを見せる。

 

対照群の子供たちには普通に大人が遊んでいるのを見せる。

 

その後各グループの子供たちを1人ずつおもちゃの部屋の中に入れ、

その様子をフィルムで撮影する。

 

 

結果、

実験群の子供たちは対照群の子供たちに比べて目に見えて攻撃的だった。

この実験からこどもは明らかな強化を与えなくても

モデルの行動を自発的に模倣することが分かった。

 

 

 

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◆アルバート・バンデューラ(Albert Bandura 1925~ )

自己効力感や社会的学習理論で知られるカナダ人心理学者。

カナダのブリティッシュコロンビア大学を卒業後、

1952年、アイオワ大学にて博士号を取得。

アメリカのスタンフォード大学の心理学教授を長く務め、

1974年には、アメリカ心理学会会長も務めた。

 

 

1950年代後半、当時優勢であった行動主義学習理論の中で、

社会的学習理論(モデリングによる学習)を提唱したことでも知られる。

 

従来の学習理論が、学習する個体(人間や動物)自身の経験を前提としていたのに対し、

学習が他の個体の行動を観察することによっても成り立つことを実証し、

新たな理論づけを行った。

1990年代に提唱された自己

効力感についての理論は心理学にとどまらず、

教育学や社会学にも大きな影響を与えた。

 

 

 

 

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心理療法

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風景構成法

 

 

風景構成法は、

1969年に精神科医の中井久夫氏によって考案された

アートセラピー(芸術療法)のひとつです。

 

11のアイテムを画用紙に描き込み、

セラピストがそれを分析したり、

絵を元にそれを象徴するイメージを聞き出したりします。

 

考案時は主に統合失調症の患者の現況を非言語的に把握するために用いられていました。

 風景構成法における分析は

「箱庭療法に準ずる」とされています。

風景構成法はその前進となる箱庭療法を、

より簡易的に実施できるように工夫されたものとも言えます。

 

 

完成した作品をもとにセラピストとクライアントが対話をすることで、

今まで見えていなかった自分自身の特徴や葛藤に気づいたり、

絵をきっかけとして悩みが言語化されます。

それぞれのアイテムには問題の象徴が隠されていると定義され、

それをセラピストが聴き出し見立てることに役立てます。

 

 

また、セラピストの指導の下で絵の書き換えを行うこともあります。

絵の気になる一部分を描き変えることで、

無意識的な心象イメージが変わり、

実際のこころの状態にも変化が起きることが期待されています。

 

箱庭療法と同じく、

新たな心理療法の発達や、

社会の多様性によって絵を分析すること自体に疑問の声が挙がることが多くなりました。

その結果、風景構成法を取り入れている病院や施設はほとんどありません。

 

ワークショップの一環やレクリエーションとして楽しまれる場面が増えている手法です。

 

 

 

 

風景構成法の進め方

 

1)道具を用意する
 アートセラピストがクライアントの前で画用紙の四方をサインペンで枠取りします。
そして、その画用紙とサインペンをクライアントに手渡します。

2)アイテムを描き入れる
 アートセラピストが11のアイテムを伝え、画用紙に好きなように描いてもらいます。

『川→山→田→道→家→木→人→花→動物→石(岩)→足りないと感じるアイテム』

3)着色
アイテムが描き終わったらクレヨンで着色をして完成です。

 

 

 

 

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内観療法


内観療法では、クライエントは研修所に1週間こもって、

自分の身近な人々(母、父、配偶者、子ども、職場の人々など)との関係を、

1.世話になったこと、

2.世話をして返したこと、

3.迷惑をかけたことの3点に絞って想起します。

 

 

※1~2時間ごとに3~5分、1日8回、カウンセラーとの面接があり、

内観した内容を簡潔に報告します。


内観がうまくいくと、

自分の自己中心性が自覚され、

周囲の人々からの愛情に感謝できるようになります。

 

 

結果、情緒が安定し、

思いやりが出て、対人関係が好転し、

本来の自己を取り戻すきっかけになります。


内観療法は親子や夫婦や職場の人間関係の不和、

非行・不登校・うつ状態・アルコール依存、

心身症などの問題の改善に効果があります。

 

※すぐ効果が現れない場合もありますが、

後から効果が出てくることもあります。
 

 

 

 

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箱庭療法


箱庭療法は、セラピストが見守る中、

クライエントが自発的に、

砂の入った箱の中にミニチュア玩具を置き、

また砂自体を使って、自由に何かを表現したり、

遊ぶことを通して行う心理療法です。

 

通常、箱庭療法だけを独立して行うことはなく、

言語的面接や遊戯療法のなかで、適宜用いられる方法です。


この療法では、砂やミニチュア玩具のイメージを活用してアイデアを広げ、

上手下手ではなく、

具体的な現実生活に近い表現から抽象的な非現実的な表現まで可能です。

言葉にならない葛藤、イメージを表現しやすいのです。

 

 

意識していることだけでなく、

気がついていなかった自分の心身の状態や動きが直接的に感じられ、

自分の心の中との対話・対決へと通じ、自己理解と人格的変容が促されます。

 

子どもから高齢者まで、自己啓発の目的から神経症、心身症、

パーソナリティ障害などにみられる心理的課題まで、

幅広く用いられていますが、

実施については、クライエントとセラピストと相談しながら進めます。

 

 

 

箱庭療法(Sandplay therapy)は、

カルフ(Kalff,D,M.;1904-1990)が

メラニ-・クライン(Klein,M.;1882-1960)の弟子だった

ローウェンフェルト(Lowenfeld,M.;1890-1973)の

「世界技法」(The World Technique)をもとに、

ユング(Jung.C,G.;1875-1961)の

分析心理学の考え方を加味して発達させたものであり、

1965年に河合隼雄(1928-)によって日本に紹介された。

 

 

河合隼雄(かわいはやお)(1969)は、

「箱庭療法の特徴を遊戯療法と絵画療法の

中間にあるものとして把握することができる。」

と述べている。

 

空間が箱という形で限られていることで、

クライエントは、保護された空間の中で安心することができる。

そして、与えられた多種多様な玩具を使うことで、

自由に自己を表現することが可能である。

 

このようにすることによって箱庭療法は、

クライエントの自己治癒力を引き出すことができるのである。

 

また、箱庭療法において箱庭は、治

癒者とクライエントとの間に媒介として存在する。

対面法という治癒者とクライエントの2者の関係から、

箱庭が入ることによって三者関係になる。

 

岡田(1984)は、

箱庭が治癒者とクライエントの関係の潤滑油になると述べている。

 

3者関係になったことで、それぞれが相互作用し、ク

ライエントの自己治癒力を高め、治癒に向かっていくのである。

 

 

河合(1982)は、

箱庭療法は日本人に適していると述べている。

非言語的な自己表現が日本人に向いているのだろう。

現在、日本では箱庭療法が広まり、

言葉で上手く表現することができない児童から大人に至る

幅広い年代に適用され、効果をあげている。

 

 

光元(2001)は、箱庭療法は心理療法の場面で用いられ、

言葉という象徴ではまだうまくとらえられないでいる自分自身の全体性、

もしくは自分が他者や世界と関わっている姿の全体を、

箱・砂・パーツといった言葉以外の象徴表現でとらえようとする試みであるとし、

箱庭を用いた表現を広く〈箱庭表現〉と呼び、

心理療法の場で箱庭表現がなされる場合を〈箱庭療法〉と呼ぶとしている。

 

 

 

 

 


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PM理論|三隅二不二

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PM理論

 

 

日本の社会心理学者の三隅二不二氏が1966年に提唱した、

リーダーシップ論。

 

 

「目標達成行動-目標を達成するP(Performance function)機能」と

「集団維持行動-人間関係に配慮し,

集団を維持しようとするM(Maintenance function)機能」の

2つの能力要素により、リーダーシップは構成されているという理論。

 

この2つの能力の大小により、4つの型に分類。

P機能が大きい場合は、大文字のP、

小さい場合は小文字にp、

同様にM機能が大きい場合は、大文字のM、

小さい場合は小文字にmと記すことで、

PM型、Pm型、pM型、pm型と表記。

 

P機能、M機能、いずれも優れているPM型を、

理想のリーダー像と位置付けたこの理論は、

組織が戦略を練るための、人事的な分析材料として用いられている。


 


◆三隅 二不二(みすみ じゅうじ/じふじ、(1924~2002)は、日本の心理学者。

専攻は社会心理学。文学博士。

 

クルト・レヴィンによって創始されたグループ・ダイナミックス(集団力学)を日本に紹介し、

その普及と発展に力を注いだ。

リーダーシップを

パフォーマンスとメンテナンスの2つの機能の複合として捉える

PM理論で世界的に知られる。

 

 

 

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◆クルト・レヴィン

Kurt Lewin クルト・レヴィン(1890~1947) 

クルト・レヴィン(Kurt Zadek Lewin, (1890~1947)

心理学者。社会心理学者 。

ドイツのモギルノ(Mogilno) (現在はポーランド領) 生まれでユダヤ系。

「ツァイガルニク効果」の研究や「境界人」の概念の提唱で知られる。

 

 

 

【概要】

ゲシュタルト心理学を社会心理学に応用し、トポロジー心理学を提唱した。

ベルリン大学の哲学と心理学の教授を務めていたが、

ナチスの政権掌握で、ユダヤ人の学者は大学から追放された。

海外に出ていた彼は、1933年8月にアメリカに亡命し、

1940年にアメリカの市民権を取得した。

 

コーネル大学教授

マサチューセッツ工科大学(MIT)にグループダイナミクス(集団力学)研究所を創設。

 

「社会心理学の父」と呼ばれ、

アイオワ大学の博士課程でレオン・フェスティンガーなどを指導した。

リーダーシップスタイル(専制型、民主型、放任型)と

その影響の研究、集団での意思決定の研究、

場の理論や変革マネジメントの「解凍―変化―再凍結」モデルの考案、

「アクションリサーチ」という研究方式、

グループダイナミクスによる訓練方法(特にTグループ)など、

その業績は多方面にわたる。

 

 


 

 

 

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研究を通して得た結論:概念

 

 ◆「P」機能:「目標達成機能」(Performance)

 ◆「M」機能:「集団維持機能」(Maintenance)

 

「pm」「Pm」「pM」「PM」と4つのタイプが示されています。

双方が小文字の「pm」は、P機能、M機能ともに「弱い」ことを意味します。


逆にふたつが大文字の「PM」とは、目標達成への意識高く、

チームをまとめようとする意識も強く、

実際に、そうした行動をとっているリーダーのタイプを意味します。


 

 

 

 

◆PM理論は父性と母性の論ともいえる

リーダーシップの科学の本画像「集団におけるリーダーシップとは、

集団の目標達成や課題解決を促進し、集団に胚胎する崩壊への傾向を抑制して、

集団の維持を強化する集団機能を代表するものである。

一方、集団の側から考えれば、

集団が困難に遭遇してその脱出にあえいでいればいるほど、

その困難を克服してくれる父親のように強力で

頼りがいのあるリーダーの出現を求める。

 

また、集団が内部葛藤・対立に疲労困ぱいして、

崩壊への危機をはらんでいるときには、

母親のように許容的であり寛容で、理解と支持を示し、

すべてを受容してくれるリーダーシップを求めるであろう」

 

「リーダーシップの科学」 三隅二不二/著  講談社

 

 

 


P機能は、「成果」や「目標」を達成するための厳しい「父性」であり、

M機能は、チームをまとめるための「優しさ」「包容力」など「母性」です。

父性と母性の関連することから、

Pを「パパ」のP、Mを「ママ」のMとし、

PM理論は、「パパ・ママ理論」と呼ばれることもあります。

 

 

父なる厳しさ(父性)で成果をあげて、

母なる優しさ(母性)でチームをまとめる優れたリーダーは

「PM型」であるというのが、三隅氏のPM理論。

 

 

実は複雑であり、実際には、父性と母性だけを意識しても、

リーダーシップが強化されるとは限りません。

その他の様々な資質がリーダーシップには求められます。

 

 

 

 

 

 

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特性論

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特性論 概要

 

私たちの行動を観察すると、中にはその場限りの行動もあるが、


種々の状況において一貫して現れる行動もある。

種々の状況を通じて一貫して現れる一定の行動傾向を特性(trait)という。


特性論は、特性を人格の構成単位とみなし、


いくつかの特性の組み合わせによって人格を記述し理解しようとする方法で、

主としてイギリスやアメリカで発達した理論である。

 

特性論は類型論より歴史も浅く、


そのほとんどが20世紀になって誕生したものである。

 


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 【オールポートの特性論】

アメリカの心理学者であるオールポートは、性格特性は精神・身体的概念であり、

その特性は「個人の内にある」と主張。

類型論における分類は、それが「観察者の目」に依存しており、

そのことが性格の理解を困難にしているという。

 

観察者の判断が異なれば、同一の個人が、

異なる性格を有する人間として判断されることになる。

オールポートは、辞典(ウェブスター)の中から、

「親切な」「社交的」などの、性格特性に関することばを数多く選び出し、

形容詞的な用語を、実際的な特性を表現する語群(?群)、

一時的な状態(態度)を表現する語群(?群)、

評価(価値判断)を表現する語群(?群)、そ

の他(?群)の4群に分け、第?群を中心に特性の分析を行った。

 

オールポートは、多くの人々に共通する共通特性と、

ある個人に特徴的な独自の特性を区別し、

さらに共通特性を表出的特性と態度的特性に分類している。 ま

た、特性の基礎をなす心理・生理的要因(身体、知能、気質)を加え、

個人の性格を表示する心誌(psychograph)を作成している。

 

※ゴードン・オールポート(Gordon Willard Allport, 1897- 1967)
アメリカ合衆国の心理学者。

 

 

オールポート (Allport, G. W.)


成熟した人格の基準として


1. 自我の拡張
2. 他人に対する暖かい関係
3. 情緒の安定
4. 現実認知と技能
5. 自己客観化
6. 人生観の確立


の6つをあげ、人間として達成すべき努力目標とした。

 

人間関係と健康なパーソナリティ(個性)


 「パー ソナリティとは、

人間に特徴的な行動と考えとを決定する精神身体的体系の力動的組織」とする

ゴードン・オルポート(アメリカの心理学者)の定義である。

さらに「性格、気質、興味、態度、価値観などを含む、

個人の統合体である」。ゴードン・オールポートは

健康なパーソナリティの規準として、次の6つを 挙げている。

 

1)  自己意識の拡大。自己自身だけに集中的に向けられていた関心が、
家族・異性・趣味・政治・宗教・仕事へと広がり、これにどれだけ積極的に参加し、
自己をどれだけ拡大してゆくか。
他人の幸福を自分の幸福と同一視できるほど重要視し、拡大視できるか。

2) 他人との暖かい人間関係の確立。家族や友人に対して、
どれほど深い愛情を伴う親密さと、全ての人の人間的状態に敬意を払い理解するという、
共感性を持つことができるか。

3) 情緒的安定。欲求不満の状況でもそれを受容するとともに、
これをどれほど適切冷静に処理し、安定した精神状態を保つことができるか。

4) 現実的知覚、技能および課題。
歪曲されない正確な現実認識と、真実性への認知の構えをどれほどもっているか。
基本的知的能力だけでは不十分で、むしろ高い知的能力をもちながら、
情緒的均衡を欠くために、健康なパーソナリティとなれない人も多数存在する。

5) 自己客観化、洞察とユーモア。自分自身とは何か、
自分自身が持っているものは何か、
他人は自分が何を持っていると思っているのか、といったことを
客観的に知り、洞察しているか。
この洞察とユーモア感覚は強く関連している。

6) 人生を統一する人生哲学。
人生をいかに生きてゆくか、という目標への指向性をどれほど明確にもっているか。
人生に統一を与えてくれる哲学、すなわち価値への指向をどれだけもっているか。


 


【著書】

『人格の形成―人格心理学のための基礎的考察』
『個人とその宗教』

 他

 

 

 


 

【ギルフォードの特性論】

アメリカの心理学者であるギルフォードは、

共同研究者マーチン(H.G.Martin)とともに因子分析的手法により、

「STDCR因子目録」「GAMIN因子目録」および

「ギルフォード=マーチン人事人格目録」の3種の性格目録(personality inventory)を作成している。

この3つの検査において、性格特性として次の13因子が測定される。

? S因子:社会的外向―内向 ? T因子:思考的外向―内向 ?

D因子:抑うつ性 ? C因子:回帰性傾向 ? R因子:のんきさ ?

G因子:一般的活動性 ? A因子:社会的場面における支配性 ?

M因子:社会的場面における支配性 ?

 I因子:劣等感 ? N因子:神経質 ?

O因子:客観性 ? Ag因子:愛想のよさ ? Co因子:協調性

 

このギルフォードの人格目録は、

日本でも矢田部らにより標準化され、

おのおの12項目からなる13尺度が作成されている。

 一方、辻岡は、矢田部が標準化した性格検査を

各10項目からなる12の尺度にあらため標準化し、

「矢田部=ギルフォード性格検査」を作成している。

 


※ジョイ・ギルフォード(1897 - 1987)
アメリカ合衆国の心理学者。

因子分析法を用いて知能の研究を行う。
人間の知能は内容4種類、操作5種類、
所産6種類の計120種類からなるという説を唱えた。

 

 

 


【アイゼンクの特性論】

イギリスのアイゼンクは、性格研究に実験的方法を導入し、

因子分析法による性格特性の分析を行っている。

アイゼンクの理論は、類型論と統計学的手法との組み合わせによる特性論である。

 従来の因子分析はよって抽出された因子は、

それがどのような意味を持っているかが不明な場合も少なくなかった。

 

そこで、アイゼンクは、従来の因子分析の手法とは多少異なる

クライテリオン分析という方法を通じ、性格の基本的次元を決定しようと試みている。

この分析は、抽出しようとする因子が前もって決められているが、

この因子は、外向性―内向性というように両極性を持ったものであり、

実験的検討に際しては、被験者もこの両極の2群が対象とされる。

 

アイゼンクの特性の理論の特徴は、

ほかの特性論と異なり、特性のレベルよりも

さらに抽象化された類型(type)の次元を設定していることである。

 

そして、アイゼンクによれば、

性格の構造は、類型―特性―習慣的反応―個別(特定)反応の4つの階層構造をなしてるという。

神経症傾向と精神異常の区別に始まったアイゼンクの研究は、

その後、健常者及び神経症患者への研究へと発展し、

その中からふたつの基本的因子が抽出されている。 こ

の2つの因子が、内向性―外向性の因子、そして神経症的傾向の因子であり、

わが国で今日使用されているMPI(Maudsley Personality Inventory)の基礎となっている。

 

さらにアイゼンクは、種々の生理心理学的実験から得られた資料をもとに、

このような内向性―外向性及び神経症的傾向の背景には、

脳幹網様体及び大脳辺縁系の活動の個体差、

すなわち、生物学的基礎の差異が関連していると主張している。

 


※ハンス・アイゼンク(1916年3月4日 - 1997年9月4日)
ドイツの心理学者。ドイツ・ベルリン生まれ。

不適切な学習によって神経症が引き起こされると考えた。
行動療法によって治療しようと試みた。
パーソナリティ研究の分野で活躍した。
1975年にアイゼンク性格検査を考案した。
精神分析の実証性について痛烈な批判を行ったことで知られる。

 

 


著書

『心理学の効用と限界』
『人格の構造 その生物学的基礎』
『心理療法の効果』
『知能の構造と測定』

 他

 

 

 

 

 


【参考文献】

加藤義明 中里至正編著 1989 『入門人格心理学』 八千代出版

 

 

 

 


公認心理師法は、

平成27年9月9日に議員立法により成立し、9月16日に公布され、

平成29年9月15日に施行されました。

 

 

【公認心理師】

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、

公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、

心理学に関する専門的知識及び技術をもって、

次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。


(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

(2)心理に関する支援を要する者に対する、

   その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、

   指導その他の援助

(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

 

 


公認心理師法概要


【目的】

公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、

もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。

 


【定義】

「公認心理師」とは、公認心理師登録簿への登録を受け、

公認心理師の名称を用いて、

保健医療、福祉、教育その他の分野において、

心理学に関する専門的知識及び技術をもって、

次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。

① 心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

② 心理に関する支援を要する者に対する、

  その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

③ 心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、

  指導その他の援助

④ 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

 

 

 

【国家試験】

公認心理師として必要な知識及び技能について、

主務大臣が公認心理師試験を実施する。

受験資格は、以下の者に付与する。

 

 

① 大学において主務大臣指定の心理学等に関する科目を修め、

  かつ、大学院において主務大臣指定の心理学等の科目を修めて

  その課程を修了した者等

② 大学で主務大臣指定の心理学等に関する科目を修め、

  卒業後一定期間の実務経験を積んだ者等

③ 主務大臣が①及び②に掲げる者と同等以上の

  知識及び技能を有すると認めた者

 

 

 

【義務】

1 信用失墜行為の禁止

2 秘密保持義務(違反者には罰則)

3 公認心理師は、業務を行うに当たっては、

  医師、教員その他の関係者との連携を保たねばならず、

  心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治医があるときは、

  その指示を受けなければならない。

 

 

 

【主務大臣】

文部科学大臣及び厚生労働大臣

 

 

 

【経過措置】

既存の心理職資格者等に係る受験資格等について、

所要の経過措置を設ける。

 

 


☆第1回公認心理師 国家試験は、平成30年9月9日に実施予定。

 

 

 

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【公認心理師】(こうにんしんりし)とは、

公認心理師法を根拠とする日本の心理職国家資格である。

 


【心理職の国家資格】

名称独占資格として規定される(第44条第1項)とともに、

資格創設(全面施行)以降、

公認心理師の有資格者以外は、

「心理師」という文字の使用禁止が規定された(第44条第2項)。

 

 


◆公認心理師は、現行の「臨床心理士」と同様、

教育、医療・保健、福祉、司法・矯正、労働・産業、学術・研究など、

多岐にわたる活動領域を想定しており、

特定の分野に限定されない「汎用性」「領域横断性」を特長とする

心理職国家資格を旨とするものである。

そのため、文部科学省と厚生労働省による共管とされ、

主務大臣は文部科学大臣と厚生労働大臣と規定されている。

 

 


◆公認心理師が行う心理的行為としては、

「心理検査」「カウンセリング」「心理療法」といった

「心理的支援」や「コンサルテーション」、「心理教育」等を想定して、

「一、心理に関する支援を要する者の心理状態の観察・分析」

「二、心理に関する支援を要する者との心理相談による助言・指導」

「三、心理に関する支援を要する者の関係者との心理相談による助言・指導」

「四、メンタルヘルスの知識普及のための教育・情報提供」の

4種が掲げられている(第2条)。


 

 

この点は現行の臨床心理士の専門業務

(①「臨床心理査定」②「臨床心理面接」③「臨床心理学的地域援助」

④「①~③に関する調査・研究」)を鑑み、規定された。

但し、公認心理師は臨床心理士にとって変わるものではなく、

臨床心理士の資格は今後も残り、

公認心理師と共存していくものと考えられている。

 

 

 

 

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少年院  

2015年(平成27年)6月施行 「少年院法」

 

 

法務省矯正局が管轄する。

懲役や禁錮の言渡しを受けた16歳に満たない者のうち、

少年院での矯正教育が有効と認められたものを、

16歳に達するまで収容することもできる。

 

これを受刑在院者という。

少年院送致の処分は、

警察や裁判所に前歴が残るだけで前科は公に出ないとされる。

 

 

2015年(平成27年)6月施行の現行少年院法は、

次の4種類に区分する。

性別により分離するとされているが、

旧法と異なり施設そのものの分離は規定していない。

 

 

また適当と認めるときは、居室外に限り、

分離をしないことができるとなっている。

 

 


◆第一種少年院

心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満の者を収容する。

旧法の初等少年院と中等少年院に相当。

 

◆第二種少年院

心身に著しい障害がない、

犯罪的傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満の者を収容する。

旧法の特別少年院に相当。

 

◆第三種少年院

心身に著しい障害がある、

おおむね12歳以上26歳未満の者を収容する。

旧法の医療少年院に相当。

 

少年院法で「医療少年院」に該当するのは、

全国で関東医療少年院(東京都府中市)、

京都医療少年院(京都府宇治市)の2ヶ所のみ。

 

神奈川医療少年院(神奈川県相模原市)、

宮川医療少年院(三重県伊勢市)は、

「治療的教育」を行う「少年院版の特別支援学校」である。

中津少年学院(大分県中津市)を含め、

この3か所は第三種少年院に該当しない。

 

◆第四種少年院

少年院において刑の執行を受ける者を収容する。

 

 

 

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2015年(平成27年)5月までの旧少年院法では、

少年院は次の4種類とされていた(同法2条1項 - 5項)。

医療少年院を除けば、

それぞれに男子と女子に別々の施設が設けられる(同条6項)。

 

 

 

女子を収容する少年院は、

正式名称ではないが女子少年院とも呼ばれる。

 


◆初等少年院

心身に著しい故障のない、

おおむね12歳以上おおむね16歳未満の者を収容する。

 

◆中等少年院

心身に著しい故障のない、

おおむね16歳以上20歳未満の者を収容する。

 

◆特別少年院

心身に著しい故障はないが、犯罪傾向の進んだ、

おおむね16歳以上23歳未満の者を収容する。

ただし、16歳未満の少年院収容受刑者も収容できる。

 

◆医療少年院

心身に著しい故障のある、

おおむね12歳以上26歳未満の者を収容する。

 


 

 

 

【矯正教育】

 

少年院は、収容者に矯正教育を授ける(同法1条)。

少年院の矯正教育は、在院者を社会生活に適応させるため、

生活指導、教科(義務教育で必要な教科、

必要があれば中等教育に準ずる教科)、

職業補導、適当な訓練、医療を授けるものとされている(同法4条)。

そのため、少年刑務所などとは定義が全く異なる。

 

担当のスタッフは、法務教官若しくは、法務技官と呼ばれる。

 

 

 

【処遇課程】

 

少年院の処遇課程には、

特修短期処遇(4か月以内での仮退院を目指す矯正教育メニュー)、

一般短期処遇(6か月以内程度での仮退院を目指す矯正教育メニュー)、

長期処遇(12か月以内程度での仮退院を目指す矯正教育メニュー)、

超長期処遇(12か月以上かけて矯正教育を授けるメニュー)がある。

 

 

これらの処遇課程の振り分けは、

短期処遇については、

家庭裁判所の処遇勧告に従うのが原則とされ、

長期処遇については、

比較的長期(18か月程度)や、

相当長期(24か月以上)などの勧告を尊重することとされる。

 

少年院の中でも、

特に一般短期処遇や特修短期処遇の者を収容する施設や女子少年院では、

例えば○○学院、○○学園、○○女子学園などのように、

在院者が社会復帰後、

履歴書に在院歴を記載しても殊更に目立たないような配慮がなされている。

 

 

職業訓練を実施する少年院には、

○○技能訓練所という別称があり、

資格証明書などを発行する際に用いられている。

 

 

他の教育施設との違い

素行不良の幼少者を収容し、

従来の生活環境から切り離して教育を施す施設としては、

少年院以外にも児童自立支援施設(旧称・教護院)があるが、

児童自立支援施設は、

家庭裁判所の保護処分以外にも、

知事や児童相談所長といった児童福祉機関による

児童福祉法上の措置として入所する場合があるのに対して、

少年院は、

家庭裁判所の保護処分による入院しか行われない点が異なる。

 

家庭裁判所がいずれの施設に入院・所させるかを判断する際には、

その少年に対する教育効果を上げるためには、

規律ある生活を送らせるのがよいのか、

家庭的な雰囲気で成長を促進させるのがよいのか、

という視点が重要とされており、

前者に該当する場合、少年院への入院が選択される。

 

 

 

 

 

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少年鑑別所(しょうねんかんべつしょ)は、

少年鑑別所法によって設置されている、少年の収容施設である。

 

主に家庭裁判所の観護措置決定により送致された少年を収容し、

医学、心理学、社会学、教育学等の専門知識に基づいて、

資質及び環境の調査を行う。鑑別所(かんべつしょ)とも言う。

 

 

 

 

【概要】

 

少年鑑別所は、

少年鑑別所法に基づき設置された、

法務大臣(法務省矯正局)の所管に属する施設であり、

後述の一覧に記載した日本全国の52箇所(分所1箇所を含む)に設置されている。

 

 

少年鑑別所が行う事務は、次に掲げるものである(少年鑑別所法3条)。


鑑別対象者の鑑別を行うこと。


観護の措置(少年法17条1項2号)が執られて、

少年鑑別所に収容される者その他法令の規定により、

少年鑑別所に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容し、

これらの者に対し必要な観護処遇を行うこと。


少年鑑別所法の定めるところにより、

非行及び犯罪の防止に関する援助を行うこと。

鑑別とは、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識、

及び技術に基づき、鑑別対象者について、

その非行又は犯罪に影響を及ぼした資質上

及び環境上問題となる事情を明らかにした上、

その事情の改善に寄与するため、そ

の者の処遇に資する適切な指針を示すものである(少年鑑別所法16条1項)。

 

 

 

【鑑別対象者】

 

少年鑑別所の鑑別対象者となるのは、

以下の者である(少年鑑別所法2条1号)。


家庭裁判所、地方更生保護委員会、保護観察所の長、児童自立支援施設の長、

児童養護施設の長、少年院の長又は刑事施設の長から

鑑別を求められた次の者(少年鑑別所法17条1項)

保護処分または少年法18条2項の措置に係る事件の調査又は審判を受ける者

 


保護処分の執行を受ける者

懲役又は禁錮の刑の執行を受ける20歳未満の者

家庭裁判所から次の決定を受けた者(少年鑑別所法18条1項)

 少年院送致の保護処分(少年法24条1項3号)


少年院仮退院者であって少年院に戻して収容する旨の決定(更生保護法72条1項)

 

 

 


【役割】

 


観護措置家庭裁判所は、

少年保護手続において、審判を行うため必要があるときは、

少年鑑別所に送致することができる(少年法17条1項2号)。

 

これを観護措置という。

観護措置の目的は、

少年の身柄を保全するとともに、少年の心身の鑑別を行い、

処遇決定の資料とすることである。

期間は2週間であるが、1回更新することができる(少年法17条3項、4項)。

通常は、心身鑑別に一定の期間が必要であるから、

1回更新され、4週間弱(審判期日まで)となることが多い。

 

心身鑑別に当たっては、少年の素質、経歴、環境及び人格並びに

それらの相互の関係を明らかにし、

少年の矯正に関して最良の方針を立てるために(少年鑑別所処遇17条)、

医学、精神医学、心理学、教育学、社会学等の知識及び技術に基いて

調査と判定を行い(同規則18条)、

その結果を鑑別結果通知書という形で家庭裁判所に送付する(同規則22条)。

 

勾留に代わる観護措置家庭裁判所送致前である少

年の被疑事件(捜査段階)において、

検察官は、勾留請求に代えて裁判官に対し

観護措置の請求をすることができ、

裁判官はこの請求に基づいて

令状(観護状)を発することができる(少年法43条1項、44条2項)。

 

勾留に代わる観護措置の期間は、

請求の日から10日間であり(同法44条3項)、

勾留と異なり延長はできない。

 

勾留少年の被疑事件において勾留を行う場合も、

勾留場所を少年鑑別所とすることができる(少年法48条2項)。

保護処分及び刑の執行に際しての役割少年院などの

矯正施設等からの求めに応じて、

保護処分又は刑を受けることになった直接の契機である

非行又は犯罪に影響を及ぼした

資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、

その事情の改善のための処遇に資する適切な指針を示す(少年鑑別所法16条1項)。

また、少年院に送致される鑑別対象者について、

収容すべき少年院の指定を行う(少年鑑別所法18条1項)。

 

 

 


【一覧】

 

少年鑑別所は、

原則として各家庭裁判所に対応して設置されているが、

例外として、

東京家庭裁判所管内に八王子少年鑑別所が設置されており
(少年院及び少年鑑別所組織規則12条、別表第3)、

また、福岡家庭裁判所管内には、

福岡少年鑑別所の分所として小倉少年鑑別支所が設けられている(同規則18条、別表第4)。

 

 

 

 

 

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保護観察所(ほごかんさつしょ)

 

 

法務省設置法及び更生保護法に基づいて設置される

法務省の地方支分部局で、

犯罪や非行を犯し家庭裁判所の決定により

保護観察になった少年、刑務所や少年院から仮釈放になった者、

保護観察付の刑執行猶予となった者に対して保護観察を行う機関である。

 

 

さらに、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の

医療及び観察等に関する法律(医療観察法)に基づき、

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行い、

不起訴や無罪になった者に対する精神保健観察も行う。

 

 

また、保護観察所では、刑務所や少年院に収容されている者が

釈放後に立ち直りに適した環境の中で生活できるように、

本人と家族等と融和を図り、就職先(協力雇用主)を斡旋するなど、

その受け入れ体制を整えておくための環境調整を行い、

刑務所や少年院を満期釈放になるなど

刑事上の手続きによる身体の拘束を解かれた者に対しては、

必要に応じて更生緊急保護の措置を行うほか、

犯罪・非行予防活動の一環として、

法務省主唱による、社会を明るくする運動をはじめ各種の活動を行っている。

 

 

 

保護観察所には、

常勤職員として保護観察官および社会復帰調整官の他、

更生保護に携わるボランティアとして保護司、

更生保護法人役職員、更生保護女性会員、

BBS会(Big Brorhers and Sisters Movement)会員などがいる。

 

 

 

 

 

 

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◆自立準備ホーム(じりつじゅんびホーム)

 

日本の法務省の「緊急的住居確保・自立支援対策」にもとづいて、

人々に一時的に住居を提供し、自立を促す施設のこと。

 

 

 

【概説】

 

刑務所を出所したものの行き場所が無い人、

野宿状態(いわゆるホームレス状態)になってしまった人、

独り暮らしで薬物依存症やアルコール依存症になってしまった人、

などを受け入れ、一時的に住居を提供し、再起を助ける民間施設である。

 

NPO法人などが、

あらかじめ保護観察所に自立準備ホームとして登録し、

受託する形で運営している。

 

各法人はそれぞれの特徴を生かして自立準備ホームを運営している。

 

施設の形態は様々のものがあり、

複数の人がひとつの部屋を共同で使うタイプもあれば個室の場合もある。

 

普通のアパートを借りてそれを利用している場合もある。

ただし、いずれの形態であれ自立準備ホームの職員が

毎日 生活指導や集団ミーティング(カウンセリング)などを行うことで、

自立を支援している。

 

 

◆制度開始までの経緯

 

日本では以前から更生保護施設があるが、それでは不十分であった。

日本では、刑務所からの出所者は、

多くが仕事も無く十分な生活資金も無い状態のまま

「出所」して(つまり日本の「社会」に放り出されてしまって)おり、

住居が無い状態のため、

自立に必要な仕事を得ることすら困難な状態に追いやられ、

結果として、

本人に特に落ち度がなくても再犯せざるを得ない状態に追い込まれる状態にある。

 

法務省の統計によると、

2009年の満期釈放者計15,324人のうち、

約6,700人(43.8%)に帰住先が無く、

仕事も無く十分な生活資金も無い状態のままで出所していた。

いわゆる「居場所」の無い空間、

生きてゆくすべのない空間、に放り出されてしまっていた。

 

2009年の数字を見てみると、

14万431人の検挙者のうち42.2%が再犯者であった。

検挙者に占める再犯者の割合は1997年から上昇し続けた。

 

日本政府が充分な支援策を設けておらず、

人々を再犯に追いやる悪循環が起きてしまっている。

 

そこで法務省は、2011年5月に、

問題の抜本的な解決策として、

新たに「自立準備ホーム」のしくみを設定した。

 

「緊急的住居確保・自立支援対策」において

「保護観察に付されている者及び更生緊急保護の対象となる者

(「保護観察対象者等)であって、

適当な住居の確保が困難な者について、

更生保護施設以外の宿泊場所に宿泊させて行う措置を委託する」

としたのである。

 

また自立準備ホームは

「応急の救護等及び更生緊急保護」の為の施設としても利用できる、とした。

検事拘留された後、帰る場所の無いホームレスの人がその対象になる。

 

2011年4月に宮崎県の民間団体が

全国で初めて「自立準備ホーム」の運営を受託した。

2011年5月末時点で、登録団体(23の都道府県)にあり、計36団体となった。

 

 

 

 

 

※参考文献


法務省パンフレット

「自立のための一時的な宿泊場所について(厚生保護施設・自立準備ホーム)」

 

 

 

 

 

 

 

 

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矯正施設|法務省

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矯正施設(きょうせいしせつ)

 

犯罪を行った者や非行のある少年を収容し、


改善更生のための処遇を行う施設。

 


 

【定義】

 

矯正施設とは、

狭義では、

法務省所管の刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所

及び婦人補導院のことをさす。

 

このうち、刑務所、少年刑務所、拘置所の3つを刑事施設といい、

旧監獄法上では監獄とされていたが、

刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の施行により

刑事施設と改称された。

 

この他、社会復帰促進センターが設置されている。

 

 


【広義の矯正施設】


「犯罪者・非行少年・触法少年などの

改善更生を目的とした教育・訓練を行う施設」を指す。

 

そのため、上記の法務省所管の施設のほか、

厚生労働省所管ないし都道府県立の児童自立支援施設や、

民間団体の運営による犯罪者更生施設(フリースクール)などの国公私立施設も含む。

 

 

矯正施設においては、

その各施設における目的を達成するための各種プログラムを遂行している。

 

 

 

【狭義の矯正施設)

 

刑務所懲役、禁錮又は拘留に処せられた者を拘置する刑事施設。

 

専門的な治療を必要とする者は、

医療刑務所に収容される。

 

少年刑務所もともとは少年受刑者を収容する刑事施設。

しかし、現在は26歳未満の青年受刑者も収容している施設が多く、

収容対象が成人刑務所と変わらない施設もある。

 

拘置所刑事訴訟法の規定により

勾留される被疑者・被告人(未決拘禁者)と、

死刑の言渡しを受けて拘置される者(死刑確定者)を収容する刑事施設。

 

いずれも改善更生のための処遇は必要ないので行われない。

 

少年院家庭裁判所から保護処分として送致された14歳以上20歳未満の者、

または有罪判決を受けた14歳以上16歳未満の者(少年院収容受刑者)を収容し、

矯正教育を授ける施設。

 

 

初等少年院、中等少年院、特別少年院及び医療少年院の4種がある。

少年鑑別所家庭裁判所の調査及び少年審判を行うために

観護の措置の必要がある少年を収容し、その資質の鑑別を行う。

 

婦人補導院売春防止法により補導処分を受けた売春婦を収容し、

更生のための補導を行う施設。

 

 

 


【広義の矯正施設】

 

児童自立支援施設

不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により

生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、

個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、

あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設(児童福祉法44条)。

 

児童福祉法上の児童福祉施設の一つ。

かつては感化院、教護院とも呼ばれていた。

 

 

 

 

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