カウンセリング: 2010年5月アーカイブ

問題解決療法

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問題解決療法

*日常生活の中での問題解決能力を高め、自己効力感を強化することで

心の問題解決を図る治療法。

 

 

◆誤解から不適応が生じる?

 

同じ問題を経験したとしても、不適応を感じる人もいれば、

全く不適応を感じることのない人もいる。その違いはどこからくるのだろう。

人が自分の問題をどのように理解するかによって

不安や抑うつ気分が生じることがある。

 

特に、問題そのもののとらえ方、問題の原因帰属の仕方、

問題の脅威性対処可能性に対する評価、統制感といった個人の認知によって、

問題に出くわしても、その後に不適応な状態がもたらされるどうかは異なってくる。

 

 

 

◆問題解決の方法を学ぶ治療法

 

【5つの段階】  *T.J.ズリラや、A.M.ネズ らによって体系化された治療法

 

1:何が問題となっているかを明らかにする段階

2:問題を評価する段階

3:多様な問題解決法の検討

4:実現可能な解決方法を探索する段階

5:問題解決方法を実行し効果を確認する段階

 

 

以上の、5つの段階を経て、クライエントが自分自身で問題解決できるという、

自己効力感を増大させ、問題解決をセルフコントロールできるよう、

指導して行く、治療法を指している。

 

 

 

◆問題解決療法の適用

 

問題解決療法は、単極性のうつ、広場恐怖を伴うパニック障害、

外傷後ストレス障害、パーソナリティ障害、肥満治療、

慢性疼痛、性機能不全、夫婦間葛藤、

臨床的なストレス管理などの問題に適用され大きな効果をあげている。

 

 

 

 

 

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※【参考文献】:「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書 

 

メンタルヘルス用語

 

一次予防、二次予防、三次予防

 

 

【一次予防】

・こころの健康問題を発生させないようにして行こうとする考え方。

・健康保持増進は、一次予防に位置付けられる。

 

 

【二次予防】

・こころの病気を早期に発見し対処することで、

問題を小さいうちに改善しようとする対処法。

 

 

【三次予防】

・こころの健康問題が発生した場合に専門的治療、社会適応(リハビリテーション)

職場復帰支援(リワーク支援)、再発防止の対処法。

 

 

 

 

 

心身症

 

「心身医学の新しい診療指針」(日本心身医学会教育研修委員会編、1991年)によると、

心身症(精神身体症(せいしんしんたいしょう))とは「身体疾患の中で、

その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、

器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。

 

ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」と規定されています。

すなわち、心身症とは、病名ではなく身体疾患の病態を説明するひとつの概念なのです。

 
特に、身体疾患の発症や経過に心身相関の機構(メカニズム)を介した

心理社会的要因が強く関係し、

その多くは心理社会的要因を治療の対象として扱うことが必要と考えられる病態です。

 

基本的には心理社会的因子の影響を受けない病態は存在しないと考えられますが、

とくにそれらの要因が強く影響していると考えられる身体疾患を心身症として扱います。

そのため病名表記では、

たとえば胃潰瘍(いかいよう)(心身症)になります。

 

 

☆ストレスの影響が体に現れる病気の代表的なものが心身症です。
心身症というと、こころの病気と思われがちですが、これは病名ではなく、病態名です。

つまり、ストレスが蓄積されたために身体に疾患(病態)が現れた状態を言います。
その病態は、循環器系、呼吸器系、消化器系、神経系、泌尿器系などと、
あらゆる領域に現れます。

 

 

原因

心身症になりやすい疾患の発症には、それぞれの疾患特有の原因が考えられます。

なかでもストレスは、その発症や持続、慢性化の要因のひとつとして考えられていて、

生物学的にはストレスが脳に作用して身体の機能や免疫などに影響することによって、

関連するとされています。

 

 

症状

それぞれの疾患に応じた症状が現れます。

心身症になりやすい人には、不安や緊張の強い人、

あまり感情を表に出さず、自分のことを表現するのが苦手な人

(アレキシサイミア:失感情症(しっかんじょうしょう))が多いようです。

 

 

検査と診断

心身症を診断する特別な指標はありません。

症状や疾患が発症したり悪化する前にストレスの関与が認められたり、

仮説・想定したストレスを治療の対象として取り上げた場合に

症状が改善していくことなどで診断しています。

 

 

治療

基本的には、それぞれの疾患に応じた身体医学療法に、心理療法が併用されます。

補助的に向精神薬が用いられることもあります。

 

 

心身症に気づいたら

一般的な身体医学療法では症状や疾患がコントロールできない、

もしくは治らない時には、心身症を疑って専門医(心療内科)の診察を受けましょう。

 

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心身症の分類

 

呼吸器系:気管支ぜんそく、過換気症候群、神経性咳そう、慢性閉塞性肺疾患など

 

循環器系:本態性高血圧症、本態性低血圧症、起立性低血圧症、

冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)、一部の不整脈など

 

消化器系:胃・十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変、慢性胃炎、心因性嘔吐、

過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、慢性肝炎、慢性膵炎など

 

 内分泌・代謝系:肥満症、神経性食欲不振症、神経性過食症、

愛情遮断性小人症、甲状腺機能亢進症、心因性多飲症、糖尿病など

 

神経・筋肉系:筋収縮性頭痛、片頭痛、その他の慢性疼痛、痙性斜頭、

自律神経失調症、心因性めまい、冷え症、異常知覚、失声、チックなど

 

小児科領域:小児ぜんそく、起立性調節障害、過換気症候群、消化性潰瘍、

反復性腹痛、神経性食欲不振症、周期性嘔吐症、情動性不整脈など

 

皮膚科領域:慢性じんましん、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、汎発性脱毛症、

多汗症、接触皮膚炎、湿疹、皮膚掻痒症など

 

外科領域:腹部手術後愁訴(腸管癒着症、ダンピング症候群、その他)、

頻回手術症、形成術後神経症など

 

整形外科領域:慢性関節リウマチ、全身性筋痛症、腰痛症、多発関節痛、

肩こり、頸腕症候群、痛風など

 

泌尿・生殖器系:夜尿症、遺尿症、神経性頻尿(過敏性膜胱)、遊走腎、

心因性インポテンス、前立腺症、尿道症候群など

 

産婦人科領域:更年期障害、機能性子宮出血、月経痛、月経前症候群、

月経異常、卵巣機能低下、不妊症、不感症など

 

眼科領域:原発性緑内障、眼精疲労、本態性眼瞼けいれん、視力低下、視野狭窄、眼痛など

 

耳鼻咽喉科領域:耳鳴り、心因性難聴、アレルギー性鼻炎、嗅覚障害、

頭重、頭痛、口内炎、心因性失声症、吃音など

 

歯科・口腔外科領域:顎関節症、口腔乾燥症、三叉神経痛、舌咽神経痛、

ある種の口内炎(アフタ性および更年期性など)

 

※参考文献 日本心身医学会指針

全般性不安障害(不安神経症)


不安を主症状とする神経症を、不安神経症といいます。


不安は漠然とした恐れの感情で、誰でも経験するものですが、
はっきりした理由がないのに不安が起こり(あるいは理由があっても、
それと不釣り合いに強く不安が起こり)、いつまでも続くのが病的な不安です。

不安神経症では、この病的な不安がさまざまな身体症状を伴って現れます。

なお、国際疾病分類などでは「神経症」という用語はすでに正式な診断名としては使われなくなっており、

従来の不安神経症にあたる診断名は、現在では「パニック障害」か「全般性不安障害」。
 
パニック障害は急性・突発性の不安症状が特徴ですが、全般性不安障害は慢性の不安症状が長く続くのが特徴です。

 

 

原因


一般に、神経症の原因は心理的な出来事(心因)とされていますが、
実際にはそのような出来事がみられないこともしばしばあります。

全般性不安障害の場合も、何らかの精神的なショック、心配ごと、悩み、ストレスなど、
精神的原因と思われる出来事のあることもありますが、まったくないこともあります。
また、過労、睡眠不足、かぜひきなど、一般的な身体的悪条件がきっかけで、
発症することもあります。

日常生活上のさまざまなストレスを背景に、いつのまにか発症しているというのが普通です。
全般性不安障害はもともと神経質で不安をもちやすい性格の人に多くみられ、
女性に多く、男性の倍以上といわれています。

 

 

症状


慢性的な不安、過敏、緊張、落ち着きのなさ、イライラ、集中困難などの精神症状と、筋肉の緊張、
首や肩のこり、頭痛・頭重(ずじゅう)、震え、動悸(どうき)、息苦しさ、めまい、頻尿(ひんにょう)、
下痢、疲れやすい、不眠(寝つきが悪い、途中で目が覚める、眠りが浅い)などの、
多様な身体症状(いわゆる不定愁訴)がみられます。

何かにつけて過度の不安・心配がつきまとい、それが慢性的に続く(診断基準では6カ月以上)のが特徴で、
不安は種々の精神・身体症状を伴っています。
多くの患者さんは身体症状のほうを強く自覚し、どこか体に異常があるのではないかと考え、
あちこちの病院で診察や検査を受けるのが常ですが、症状の原因になるような身体疾患はみられません。
経過は慢性で、日常生活のストレスの影響を受け、よくなったり悪くなったりしながら、
多くの場合何年にもわたって続きます。
途中から、気分が沈んでうつ状態となり、うつ病に移行することもあります。
また、アルコールで不安をまぎらわそうとして、アルコール依存症に陥(おちい)ることもあります。

 


診断


診断は、先に述べた症状と経過の特徴からなされ、検査で特別な異常はみられません。
身体疾患を除外するための検査(尿、血液、心電図、X線、超音波など一般内科的検査)が行われ、
これらの検査で症状に見合う異常が見つからない場合に診断が確定します。

 

 

治療


薬物療法と精神療法があります。
薬物としては、抗不安薬(ベンゾジアゼピン誘導体:セルシンなど、タンドスピロン:セディールなど)が用いられ、
症状と関連のある日常生活上の悩みやストレスについて、
医師に相談しアドバイスを受けるなどの精神療法が行われます。
 
ベンゾジアゼピンは連用すると依存症になりやすいので、最小限にとどめ、
アルコールと併用しないようにしなければなりません。

うつ症状を合併する場合は抗うつ薬
(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬〔デプロメール、パキシル、ジェイゾロフト〕 など)が用いられます。
深呼吸や筋弛緩を用いたリラクセーション法や有酸素運動は有効で自分で行うことができます。
 


 

 

不安神経症(全般性不安障害)に気づいたら、


さまざまな身体的自覚症状のために内科などを受診し、検査を受け、異常がないとわかったら、
精神科か心療内科を受診しましょう。

不安神経症(パニック障害または全般性不安障害)と診断されたら、
気のせいなどではなく不安の病気と受けとめ、
信頼できる医師のもとで根気よく治療を続けてください。

症状の完全な消失がなくても、少しでもよくなったら、
そのぶん前向きに生活していく考え方が必要です。
ドクター・ショッピング(医師や病院をわたり歩く)や民間療法、
健康食品などへの過度の依存はやめましょう。

家族など周囲の理解も重要です。

 

 

 

 

 

【FNIテスト】

 

1 よく病気をする
2 息切れしやすい
3 からだが弱いのでいつも情けない思いをしている
4 よくはき気がする
5 とても病弱である
6 よくめまいがする
7 どうきがして苦しくなることがよくある
8 のどがつまる感じがよくする
9 手足が冷えたり顔や身体が急にあつくなったりする
10 ときどき脈が乱れる


11 いつもゆうつつである
12 いつも気分が落ちつかない
13 いつもみじめな気持である
14 もっと違う境遇に生まれたかった
15 いっそ死んだ方がましと思うことがある
16 とても神経質である
17 感情がとても傷つけられやすい
18 ちょっとしたことでもひどく驚く
19 とても心配性である
20 ひとのことがとても気になる


21 心配で眠れないことがたびたびある
22 いやな夢をよくみる
23 いつも眠りが浅い
24 心理相談やカウンセリングを受けたことがある
25 ノイローゼにかかったことがある
26 病気がちでいつも損をしている
27 いつも胃や腸の調子がわるい
28 すぐ疲れてしまう
29 いつもどこかからだの具合がわるい
30 自分の健康のことが気になってしかたがない


31 胸や心臓のところが痛むことがよくある
32 気が遠くなりそうになることがよくある
33 とつぜん冷や汗が出ることがよくある
34 死んでしまうのではないかととても不安になる
35 息苦しくなることがよくある
36 自分の人生には希望がないように思える
37 いつも疲れた気持である
38 なにかにつけて自信がない
39 自分は不幸な人間だと思う
40 不満が多い

 

41 心配で物事を何度も確かめなおす
42 とても神経過敏である
43 すぐうろたえてしまう
44 ささいなことでもとても気になる
45 理由もなく不安になることがある
46 寝つかれないで困る
47 眠ってもすぐ眼を覚ます
48 いつも寝足りない感じである
49 精神科,神経科,心療内科で診察を受けたことがある
50 悩みごとがあって医師に相談したい(おわり)

 

 

 

・1~10  無力性尺度 As   Asthenia Scale 
・11~20 自律神経失調性尺度 Ad   Autonomic Dysfunction Scale 
・21~30 抑うつ性尺度 Dp   Depressiveness Scale 
・31~40 神経質尺度 Ne   Nervousness Scale 
・41~50 不眠尺度 Is   Insomnia Scale

 

 

※ 神経症指数NIが、高得点で、しかも長く(2週間以上)続く場合は、
神経症のほかに、うつ病も疑われます。
特に神経質尺度Ne、抑うつ性尺度Dpさらには不眠尺度Isが高い場合は要注意。

 

 

 

参考文献:「神経症とうつ病の自己診断テスト」 藤波茂忠/著 燃焼社

 


 

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