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逆転移|対抗転移

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対抗転移 逆転移 (counter-transference)

 

 

◇被分析者に対する分析者の無意識的反応の総体

 

◇特に被分析者の転移に対して、分析者自身の無意識的、不合理、幼児的な感情、

思考、態度が、被分析者に繰り返し向けられる現象。

 

 

 

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◇対抗転移は、1910年にフロイトにより初めて精神療法に導入された概念で、

転移と同様に重要な役割を果たしている。

 

フロイトは、「被分析者が分析者に対して向ける特殊な感情や態度のこと」を「転移」と呼び、

これとは逆方向に、「分析者の側が無意識のうちに被分析者に対して個人的な感情を向けたり、

私的な反応をすること」を「対抗転移」(逆転移)と呼んだ。

 

  

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 ◇被分析者の無意識の葛藤を正しく解釈するのに重要な分析者の中立性を

対抗転移が損なう恐れがあるとフロイトは考えた。

そこで、当初対抗転移を分析者の抵抗と考え、被分析者を治療するうえでの障害であるから、

できるだけ避けるべきであり、分析、あるいは少なくとも自己分析によって、

消滅されるべきだ、とされた。

 

 

◇これに対してユング(1875~1961)は、分析者も人間である以上、

いかに受け身的、中立的態度を保持しようとしても、ときには被分析者に深く影響されざるを得ない。

だから、この事実を受け入れ可能な限り、意識化するほうが良い、とした。

そこで、分析者が自己の無意識過程を熟知するために教育分析を受ける必要があることを力説した。

 

 

このように、対抗転移には、歴史的に治療の妨げになるので出来るだけ排除しようとする立場と、

対抗転移を自覚、理解し、柔軟適切に治療に活用しようとする立場と二つがある。

 

当初、対抗転移は、内容が分析者自身にかかわることであるだけに、

あいまいにされてきたきらいがあった。

しかし、1950年以降、治療が人間関係によることがますます理解され、

分析者の反応がより重要視されるようになったことにより、

治療を進めるうえで、対抗転移も積極的な意義があるものとして注目されるようになった。

 

 

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◇ハインリッヒ・ラッカー(Heinrich Racker)

・ハインリッヒ・ラッカーは、「転移状況は必ず対抗転移状況を誘発する。

そしてそれは普遍的な、そして個人に固有な無意識の法則に従っている」と述べ、

対抗転移の特徴を次の3つにわけた。

 

a・・・転移と同様に分析作業にとって最大の危険物である。

b・・・患者を理解する最上の手段である。

c・・・解釈する人としての分析医を補助するものである。

 

 

◇アニイ・ライヒ(A.Reich)

・アニイ・ライヒは、「対抗転移は(ただ不可解な事象であるだけでなく、また)、

分析治療に必要な前提条件でもあるのだ。

もしもそれが存在しないならば、分析治療に必要な才能や興味が失われてしまう。

しかし、それは、影のように背景にとどまっていなければならない」と述べ、

対抗転移の重要性と特質とを説明している。

 

 

◇メニンガー(K.Menninger)

・メニンガーは、対抗転移の一般的な現れ方を次のように4つあげている。

 

1・・・嫌悪感、不快感、不安、抑うつ感、無力感、焦り、などの感情。

2・・・共感できない特定の話題にとらわれる、眠くなる、身構える、自分のことにとらわれる

    遅刻する、度忘れ。 

3・・・過度に好意を向ける、援助したがる、恋愛的、性愛的な感情が続く。

4・・・患者の夢を見る。

 

◇このように対抗転移を理解し、この存在に注意を払っていなければならないが、

ただ、対抗転移を恐れるあまり、治療が不毛になってはならない。

また、自分の対抗転移の分析に夢中になりすぎて、治療本来の対象を忘れてしまったり、

知的に分析するだけで事足れりという態度は治療の妨げになるので、

分析者はたびたび教育分析を受け、治療過程を見つめなおす必要がある。

 

 

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◇現在ではシンガー(E,Singer)の立場が一般に広く受け入れられている。

対抗転移は、「治療者が自分自身について何かを知ったり、学んだりすることへの、

治療者自身の抵抗の現れとして、また自分自身のある側面を忘却し、

未解決の葛藤を隠しておきたいという願望の反映として考えられる」と述べている。

 

 

◇精神分析療法は、病める人と健康な人との間の相互関係とみなされがちであるが、

本来は、2人の人格の相互関係である。

二つの全人格がそれぞれに、分析状況の一つ一つの出来事に影響しているのである。

したがって、治療関係において、分析者は、被分析者の転移や防衛を理解しようとすることだけでなく

自分自身の中におこっているいろいろな対抗転移を認識、コントロールすることが、

被分析者の理解につながる、という相互作用を重要視する必要がある。

 

 

 

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【カール・グスタフ・ユング】 Carl Gustav Jung (1875年7月26日~1961年6月6日)

 

スイスの精神科医・心理学者。

深層心理について研究し、分析心理学(通称・ユング心理学)の理論を創始した。

スイス、ボーデン湖畔のケスヴィルでプロテスタント牧師の家に生まれる。

少年期は己の内面に深い注意が向けられ、善と悪、神と人間についての思索に没頭し、

学生時代はゲーテ、カントやニーチェの著作に感銘を受けた。

内的な基盤を持たない形式的な信仰というものに疑問を感じ、

牧師という職を継ぐことを特には望まず、名門バーゼル大学で医学を学んだ。

 

生理学的な知識欲を満たしてくれる医学や、歴史学的な知識欲を満たしてくれる考古学に

興味を抱き、友人と活発に議論を交わし、

やがて人間の心理と科学の接点としての心理学に道を定めた。

精神疾患の人々の治療にあたるとともに疾患の研究もすすめ、

特に当時不治の病とされた分裂病(統合失調症)の解明と治療に一定の光明をもたらした。

ヒステリー患者の治療と無意識の解明に力を注いでいたフロイトと一時親しく意見を交わした。

1948年に共同研究者や後継者たちとともに、スイス・チューリッヒにユング研究所を設立し、

ユング派臨床心理学の基礎と伝統を確立した。

またアスコナで開催されたエラノス会議において、主導的役割を演じることで、

深層心理学・神話学・宗教学・哲学など、

多様な分野の専門家・思想家の学際的交流と研究の場を拓いた。

 

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【ジークムント・フロイト】(ドイツ:Sigmund Freud 1856年5月6日~1939年9月23日)

 

オーストリアの精神分析学者。オーストリアの白人系ユダヤ教徒アシュケナジーの家庭に生まれた。

神経病理学者を経て精神科医となり、神経症研究、自由連想法、無意識研究、

精神分析の創始を行い、さらに精神力動論を展開した。

非常に詳細で精密な観察眼を示す症例報告を多数残した。

それらは、現在においても次々と新しい角度から研究されている。

フロイトの提唱した数々の理論は、のちに彼の弟子たちによって

後世の精神医学や臨床心理学などの基礎となったのみならず、

20世以降の文学・芸術・人間理解に広く甚大な影響を与えた。

弟子たちは、フロイトの考え方のどこかしらを批判した上でこれを受け継ぎ、

様々な学派に分岐し、それぞれ独自の理論を展開していった。

 

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※【参考文献】

「転移と逆転移」2000 H,ラッカー/著 岩崎学術出版社
「カウンセリング大事典」2004 小林司/編 新曜社
「図説 現代心理学入門」三訂版2007 金城辰夫/監修 培風館 
「ユングの分析技法」転移と逆転移をめぐって マイケルフォーダム/編 培風館
「転移・逆転移―臨床の現場から」 氏原寛/編 人文書院
「分析空間での出会い―逆転移から転移へ」1998 松木邦裕/著 人文書院

 

ハンス・セリエ

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ハンス・セリエ  Hans Selye (1907-1982)

 

 

 

【ハンス・セリエ】ハンス・セリエ Hans Selye (1907-1982)

 


・セリエは、カナダの科学者でキャノンやベルナールなどの研究を発展させ、

刺激に対する生体の反応について体系づけ1936年Natureという科学雑誌に「ストレス学説」を発表。

 

日常的に用いられるストレスという言葉は、有害な環境因子(ストレッサー)を意味するが、

ハンス・セリエが導入したストレス概念は、有害・無害、有益・無益を問わず、

何らかの刺激に対する生体の非特異的な反応を意味するもの。

 

「ストレス」という言葉は生物が外的あるいは内的な刺激に適応していく過程を概念化したもの。

適応の過程では自律神経や各種のホルモンが働く。人の意志の働く。

 

 

セリエの「 stress without distress」という著書に "Stress is the spice of life" という文章がある。

 

「ストレスは人生のスパイスである」という意味。

 

彼はまた "Absence of stress is death" とも述べている。

「ストレスの欠如は、死である」という意味。

 

 

ストレス(ストレッサー)には有害なものだけでなく有益なものもあり、

いずれにしても生きていく上で避けて通ることが出来ないものなら、

悪と善の区別することなく丸ごと受け入れて、乗り切ることが大切だということを説いている。

 

 

 

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【ストレス】

 

 

◆心理学的ストレス理論

・生活の中で日常的に感じるストレスを心理学的に理解してその対処を考える理論。

 

◆ストレスの心理学的理解

・ハンス・セリエ(1907~1982)によって提唱された「ストレス」の概念は、

外界からもたらされる非特異的な身体的反応を総称するものであった。

 

ところが・・・

セリエのストレス学説は基本的に生理学的なストレスのメカニズムに焦点を当てており

心理学的要因についてはほとんど考慮されていなかった。

 

その後の研究においては・・・

いずれもストレスが生起する過程において心理学的要因が重要であることが報告されている。

 

現在「心理学的ストレス」の定義として最も広く支持されているのは、

アメリカの心理学者「R・S・ラザルス(1922~2003)」の定義である。

 

ラザルスは、ストレスを、「外的状況の特性や内的状態ではなく、環境の要求とその認知、

およびそれに対する対処能力の認知との複雑な相互作用からもたらされる過程を指す」と定義した。

 

 

 

◆心理学的ストレス反応は・・・ 

情動的な変化を中心とする反応であり、

情動的反応に伴って生じる認知的反応や行動的反応を含んでいる。

 

  

 

 

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※【参考文献】

「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書
「認知療法・認知行動療法カウンセリング」2006 伊藤絵美/著 清和書店
「 stress without distress 」 ハンス・セリエ/著

ラザルス

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ラザルス  Lazarus,Richard S. (1922-2003) アメリカの心理学者

 

 

 

【R・Sラザルス】 (1922-2003) 

 

・ラザルスは、心理的ストレス研究の第一人者であり、

ストレスに対する認知の役割を重視した理論を提唱している。

 

 

ストレスの程度について・・・

 

1:出来事の脅威度や影響性をどのようにとらえているか

2:直面する問題をどの程度コントロールできると認識しているか

3:どのような具体的対応を行ったかの個人差に強く影響される

 

 

ラザルスらは、この理論に基づく実証的研究を幅広い年齢層に対して行い、

心理的ストレス発生のメカニズム解明に大きく貢献した。

 

 

 

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【ストレス】

 

◆心理学的ストレス理論

・生活の中で日常的に感じるストレスを心理学的に理解してその対処を考える理論。

 

◆ストレスの心理学的理解

・ハンス・セリエ(1907~1982)によって提唱された「ストレス」の概念は、

外界からもたらされる非特異的な身体的反応を総称するものであった。

 

ところが・・・

セリエのストレス学説は基本的に生理学的なストレスのメカニズムに焦点を当てており

心理学的要因についてはほとんど考慮されていなかった。

 

その後の研究においては・・・

いずれもストレスが生起する過程において心理学的要因が重要であることが報告されている。

 

現在「心理学的ストレス」の定義として最も広く支持されているのは、

アメリカの心理学者「R・S・ラザルス(1922~2003)」の定義である。

 

ラザルスは、ストレスを、「外的状況の特性や内的状態ではなく、環境の要求とその認知、

およびそれに対する対処能力の認知との複雑な相互作用からもたらされる過程を指す」と定義した。

 

 

◆心理学的ストレス反応は・・・ 

情動的な変化を中心とする反応であり、

情動的反応に伴って生じる認知的反応や行動的反応を含んでいる。

 

  

 

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※【参考文献】

「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書
「認知療法・認知行動療法カウンセリング」2006 伊藤絵美/著 清和書店
「 stress without distress 」 ハンス・セリエ/著

アルバート・エリス

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アルバート・エリス 

 

 

 

【アルバート・エリス】 Ellis,Albert (1913年9月27日~2007年7月24日)

 

 

・アメリカの心理学者。

 

論理療法の創始者であり、ニューヨーク市で論理療法研究所を主宰している。

エリスの理論では、人間の認知・感情・行動は互いに影響し合っており、

論理療法は、この3つの側面を統合的にとらえるという特徴をもつとしている。

 

・論理療法では、クライエントの非現実的な信念や思考過程の修正を求め、

新しいシェマを通じて環境と関わることを目指す。

エリスは結婚、家族、性の問題についての治療、研究を積極的に行っている。

 

 

 

 

 

 

 

※【参考文献】

「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書
「論理療法入門」1998 ウィンディ・ドライデン/著 川島書店
「実践論理療法入門」1997 ウィンディ・ドライデン レイモンド・デジサッピ/著 岩崎学術出版
「論理療法」1981 アルバート・エリス R・A・ハーバー/著 川島書店
「自分をみじめにしないためには」1996 アルバート・エリス/著 川島書店
「自己変革の心理学」1990 伊東順康/著 講談社現代新書
「自己発見の心理学」1991 国文康孝/著 講談社現代新書

 

 

親からの自律

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~母親からの自律~


 

母親は子供の無条件の味方であることが必要なのである。

 

絶対的であってもファンというのではダメなのだと思う。

 

(中略)

 

何よりも一番の絶対的ファンであっても、何らかの条件がついているのである。

それに対して、無条件の味方とは、何があってもどんな状態でも、

たとえネガティブ(否定的)な要素があっても、すべてひっくるめて受けとめてその立場に立ち、

一緒に戦うことができることをいうのである。

 

 

また、感情や思考も、非自己であれば、言語なり行動なり何らかの形で表現しなければ、

理解することは難しい。

自分自身の気持ちでさえ、言語化してみることで確認されるということがあるくらいなのだ。

 

 

もちろん、家庭の内での仕事は、夫婦がすべて同じように担う必要はないだろし、

分担の方法はあるだろう。

問題は、妻だから、主婦だからあるいは女性だからということが理由で、

家事を妻にすべて担わせるのではなく、お互いに必要なら

自分のことは自分でする責任性と能力を身につけておく必要があるということなのだ。

 

 

子供をどんな人間に育てるかは、たしかに母親の責任だろうが、ある程度に成長してからは、

育ってきた心理的な環境や親子関係のなかで自分をどうコントロールし、

確立していくかは本人の問題である。

娘として、母親とよりよい関係を結ぶためにも、自分自身をありのままに見つめ直して、

自分の気持ちにフィットした自分の人生を生きているかと、

日々、自分に問いかけ、確認することである。

 

 

 

 

 

 

【参考文献】:『愛しすぎる悩み、愛されない不安』  広済堂出版

 *中村 延江(なかむら のぶえ)/著  臨床心理士

 


*桜美林大学大学院臨床心理学教授・臨床心理センター長/中央心理研究所所長/
日本大学医学部兼任講師/早稲田大学法学部非常勤講師を兼任
早稲田大学第一文学部哲学科心理学専修卒業、筑波大学大学院教育研究科修了
著書に「愛しすぎる悩み、愛されない不安~母と娘の心理学」(廣済堂出版)
「女性のストレス対処法」(新星出版社)
「人とつきあうのが今よりラクになる本」(大和書房)他多数。

仙台カウンセリング

 

●感情否定しないで思い切って「ひたりきる」

 

心理学では「別れ」「喪失」といった強いストレスによる悲しみには特にしっかりひたる必要がある、

と考えられています。

なぜなら悲しみを無視し続けると予期せぬときに感情がバクハツしたり

いつまでも癒せなくなってしまうため。

 

反対にしっかりひたりきることができれば気持ちがキチンと消化され自然と乗りこえていくことができます。

日々の生活でもつらいなぁと思って涙が出たら、だれかに胸を貸してもらったりして思う存分泣きましょう。

 

 

また泣ける映画を見たり悲しい歌を聴いたりしながら感情移入して涙を流すのも良い方法。

泣くなんてかっこ悪いと思いがちな人こそストレスから抜け出すための大事なプロセスとして

「感情にひたる」ことを自分に許してあげましょう。

 

 

 

 

 

 

【参考文献】:「1ヶ月で新しい自分に生まれ変わる方法」2009 すばる舎

*中村 延江(なかむら のぶえ)/著  臨床心理士

 

 


*桜美林大学大学院臨床心理学教授・臨床心理センター長/中央心理研究所所長/
日本大学医学部兼任講師/早稲田大学法学部非常勤講師を兼任
早稲田大学第一文学部哲学科心理学専修卒業、筑波大学大学院教育研究科修了
著書に「愛しすぎる悩み、愛されない不安~母と娘の心理学」(廣済堂出版)
「女性のストレス対処法」(新星出版社)
「人とつきあうのが今よりラクになる本」(大和書房)他多数。


 

知識労働者のうつ病の予防・早期発見

 

 

ある企業では、人事異動後のフォローとして異動して3カ月目に
本人に疲労・抑うつの自己チェック、および緊張、不安の自己チェックをしてもらっている。
精神科医がその結果を本人に説明しながら仕事の状況について面談する。
医師が経験を積むと、うつ病の発症前の特有の疲労の蓄積、
そして緊張の蓄積があることがわかってくる。

 

 

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【知識労働に内包される二つの問題点】

・知識労働者は仕事との関係において二つの問題点を

内包する形になる。

その一つは仕事に対する一体化・過集中とその限界であり、

もう一つは専門領域へのアイデンティティとその危機である。

この二つの問題点から知識労働者にうつ病が生ずるときに2種のタイプが現れる。

 

 

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【タイプ1:仕事一体化型】 うつ病の予防・早期発見

 

・仕事一体型では、過集中状態の中に単純なミスが増えてくる。


 

 

 

 

【タイプ2:知識専門職型】 うつ病の予防・早期発見

 

・知識専門型では、職場異動や昇進後に仕事の質に対する違和感、緊張の蓄積が生じてくる。

 

 

 

 

 

 

 

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※【参考文献】:「産業カウンセリング」2010.4 NO.272 
         *診療の窓から/第2回 御茶ノ水医院/市川光洋

対人関係療法

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対人関係療法 IPT(Interpersonal  therapy)

 

*うつ病に対する現実志向型の精神療法

 

 

 

◆創始者と理論

 

G.クラーマン、M.W.ワイスマン夫妻が1970年代に創始した

期間を限定して行われる

非双極性・非精神病性のうつ病に対する精神療法である。

 

うつ病の発症や経過、回復に対して生物学的な脆弱性(ぜいじゃくせい)に加えて

患者が抱えている対人関係上の問題が大きな影響を与えているという仮説をもつ。

 

人格構造や人生早期からの対人関係の障害がうつ病の発症に

関連していると創始者たちは考えているが、

実際の治療で、そうした幼児期の体験や防衛機制や葛藤などを

とりあげることはしない。

患者が現在抱えている具体的な問題が重視される。

理論的には、精神分析の対人関係学派の流れを引いているが、

治療の目的は具体的であり、技法は行動療法の影響をうけている。

 

 

◆効果

 

対人関係療法と、認知療法、薬物療法、それぞれの併用を比較した統制研究がある。

その結果は、対人関係療法が一部の大うつ病性障害の治療に効果的であることを示している。

 

 

◆進め方

 

治療はパッケージ化されマニュアルがある。通常、薬物療法と併用する。

週に1回45分程度の面接を12~16週間行う。

最初の3セッションでは、診断と対人関係の問題、

特にうつ病エピソードの発症時期に起こった対人関係の変化を明らかにする。

悲哀、対人関係の中での役割喪失、役割の変化、

対人技術のまずさが主な対人関係上の問題とされる。

 

中期間では、最初のセッションで明らかになった対人関係上の問題に

合わせて新しい対人関係の獲得、対人技術の改善、

現実を検討する認知を変えてい行くことが行われる。

ロールプレイや、ホームワークが用いられる。

 

最後の数回のセッションでは治療によって得たものを確かなものにすること、

将来、うつエピソードが再発した場合の対処法などが目標になる。

夫婦療法と重なる部分がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※【参考文献】:「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書 

解離性障害

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解離性障害(かいりせいしょうがい)

 

意識や記憶、自己同一性、知覚などが途切れたり、失われたりすることが主な症状。
心的外傷への自己防衛として、自己同一性を失う神経症の一種。
自分が誰か理解不能であったり、複数の自己を持ったりする。
症状の発生と、ストレッサーの間に時期的関連があることが診断の必要条件である。

 

【分類】

1 解離性健忘(心因性健忘)

氏名などの重要な個人情報を含む広範囲の記憶を思い出すことができない。
通常は強いストレスを伴う出来事に関する記憶を思い出すことができなくなる。
個人史を振り返った時、思い出せない空白の時期があるという訴えがある。


2 解離性遁走(かいりせいとんそう)

家庭あるいは普段の職場から突然、周囲の人には予期できない形で放浪に出るもの。
同時に過去を思い出せなかったり、氏名などの個人情報が混乱していたり、
全く別人としてふるまったりする。


3 解離性同一性障害

2つあるいはそれ以上のはっきりと区別できる同一性あるいは人格状態が存在しており、
それらが繰り替えしその人の行動を制御し、通常の物忘れでは説明できないような
個人情報の想起困難を伴うもの。診断頻度に高い地域差、医師の個人差がある。


4 離人症性障害

自分の精神あるいは身体から自分自身が遊離しているという持続的
あるいは反復的な感覚と正常に保持された現実吟味を特徴とする。


【その他】

5 解離性昏迷
6 トランス
7 憑依(ひょうい)障害
8 解離性運動障害
9 解離性けいれん
10 解離性知覚麻痺・知覚脱失
11 解離性転換性障害
12 ガンザー症候群

 

 

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※【参考文献】:「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書
※【参考文献】:「エッセンシャル臨床心理学」2000 氏原 寛・東山 紘久/著 ミネルヴァ書房

パーソナリティ障害

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【パーソナリティ障害】

 

●パーソナリティ障害

クルト・シュナイダー(Kurt Schneider 1887~1967)の定義によれば、
「パーソナリティ障害は、その異常性のために本人が悩むか、
あるいは社会が悩む」とされている。


●クルト・シュナイダー(Kurt Schneider 1887~1967)

K・シュナイダーは、ドイツの精神医学の研究家。
特に統合失調症の診断や解釈についての著述で知られ、
シュナイダーは精神疾患の診断の進歩に貢献したとされている。

 

彼は、ドイツの精神科医・哲学者のカール・ヤスパース
(Karl Theodor Jaspers 1883~1969)と同じく、
兆候や症状の内容ではなく、それらの形態に基づく診断を支持した。
例えば、妄想は「信念の内容」ではなく、
その「信念の持ち方」を元に診断すべきだと主張した。

 

彼はまた、統合失調症に特徴的な症状のリストを作成することで、
統合失調症を他の精神疾患と区別することにも貢献した。
これはのちに「シュナイダーの一級症状(first rank symptoms)」として
知られるようになった。

 

 

◆DSM-Ⅲ

DSM-Ⅲにおいて研究者のコンセンサスを集めた診断基準に従った
パーソナリティ障害という概念と多軸診断(パーソナリティ障害の場合は第2軸)
という方法が作られた。


= : = : = : = : = : = : = : =


【DSMにおけるパーソナリティ障害】

・パーソナリティ障害とは全般的な考え方や振る舞い方の特徴である。
そうした特徴が社会規範や周囲の一般常識からかけ離れており、
しかも思春期ごろから始まり、生涯を通じて波や変化がなく一定である場合に
パーソナリティ障害と呼ぶ。


パーソナリティ生涯にみられる考え方や行動の偏りは、
認知(自分自身や他人、出来事に関する受け取り方)
感情表現(感情の幅や強さ、情緒不安定、他人の苦痛を目撃した時の感情表出)
対人関係のとり方、衝動性などである。


パーソナリティ障害の診断基準に一致する状態が一時だけみられるような場合、
例えば、躁うつ病のようなエピソードの期間中に行動の偏りがみられる場合は
パーソナリティ障害ではない。
したがって本人との面接では診断をつけることはできない。
一定の行動パターンが幼少期から余年にわたって変化なく存在することを
本人以外からも情報を得て確認する必要がある。


パーソナリティ障害自体が理由になって医療機関を受診することはない。
気分障害や物質関連障害などの他の精神障害を合併した時に精神科を受診し、
その時にパーソナリティ障害が見出される。
DSMの多軸診断に正しく従う必要がある。

 

 

【DSM-Ⅳ-TRにおけるパーソナリティ障害の分類】


◆分類「A群パーソナリティ障害」

●奇妙、風変わりな信念や習慣をもつ人

・妄想性パーソナリティ障害

・シゾイドパーソナリティ障害

・失調型パーソナリティ障害

 

◆分類「B群パーソナリティ障害」

●情緒や感情の現れ方が適切でなかったり劇的、過度であるような人

・反社会性パーソナリティ障害

・境界型パーソナリティ障害

・演技性パーソナリティ障害

・自己愛性パーソナリティ障害

 

◆分類「C群パーソナリティ障害」

●対人関係のとり方において自信のなさ、不安が目立つ人

・回避性パーソナリティ障害

・依存性パーソナリティ障害

・強迫性パーソナリティ障害

 

◆「特定不能」

・研究用診断として受動攻撃性、抑うつ性パーソナリティ障害など。

 

 

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※精神疾患の診断・統計マニュアル第4版(DSM-IV)より

※DSMとは?
・アメリカ精神医学会が発行している診断マニュアルで1994年に第4版が発行されました。
・アメリカだけではなく、世界の精神医学会で広く用いられています。


※精神疾患の診断・統計マニュアル第4版(DSM-IV)より

 

 

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※【参考文献】:「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書
※【参考文献】:「DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアル」 高橋三郎/翻訳 医学書院

 

 

 

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