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マズローの欲求5段階

マズローの欲求5段階説

「アブラハム・マズロー(1908~1970)」アメリカの心理学者



【マズローの欲求5段階説】 は、様々な動機の階層的構造を明らかにした。


・人間の行動には動機がある。
人間の持つ内面的欲求は5段階の階層に分かれており、低次の欲求が満たされると順に、
より高次の欲求を求めるようになるという仮説。




第1段階:
生理的欲求(physiological needs)
衣食住、睡眠の欲求など「生命維持」と直結した欲求

第2段階:
安全・安定欲求(safety-security needs)
危険や脅威、不安から逃れようとする欲求

第3段階:
所属・愛情欲求/社会的欲求(belongingness-love needs)
集団への帰属や愛情を求める欲求「愛情と所属の欲求」又は「帰属の欲求」

第4段階
承認欲求:自我・尊厳の欲求(esteem needs)
他人から承認され、尊敬され、人の注目を得たいという欲求。
名声や地位を求める出世欲もこの欲求の一つ。

第5段階
自己実現欲求(self-actualization needs)
自己の世界観や人生観に基づいて目標に向かい自分を高めようとする。
潜在的な自分の可能性の探求や自己啓発、創造性へのチャレンジなど含む。


人間は第1段階の生存の欲求(生理的欲求)が満たされると、
より高次元の段階の欲求(第2~第4)を求め、
最終的に第5段階の自己実現を求めて生きる。

 





 

※【参考文献】

「カウンセリング大事典」2004 小林司/編 新曜社

ダブルバインド

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臨床心理学


二重拘束理論|ダブルバインド理論 (Double bind theory)

 

ダブルバインド(Double bind)とは、

ある人が、「メッセージとメタメッセージが矛盾するコミュニケーション状況」におかれること。

この用語はイギリスの人類学者 グレゴリー・ベイトソンによって造語された。

1956年、グレゴリー・ベイトソン Gregory Bateson(1904~1980)による発表。

 

 

◇親からふたつの相矛盾するメッセージを伝えられた子どもが、

その矛盾を指摘することを許されず、同時に何らかの応答を強要されるといった状況のこと。

 

 

 

【定義・内容】


「甘えてもいいよ」という両親。

しかし、両親の言外の態度では「甘えるなよ」というメッセージを発している。

子どもは、そんなメッセージを読み取り、甘えられない。

すると両親は「甘えてくれないのね。親を嫌っているのね」と不愉快を表明する。

子供は、どちらをとっても怒られる。このような状態を二重拘束という。

 

 

【二重拘束が起きる状況】・・・6つの条件


1、複数の人間の存在。

2、二重拘束的なことが繰り返し起こる。

3、「もし○○しなければ、罰を与える」という、ネガティブな命令(一時的命令)」

4、二次的ネガティブ命令。
  ・母からの「私を味方にしなさい」というメッセージを言語化せずに態度で表現する。

5、被害者(拘束される者)が二重拘束の場から逃避することを許さない、三次的命令。
   (4の例では、子どもが両親のどちらにも加担しない場合、両親から責められる)

6、一度、被害者が二重拘束的パターンの中にいると認知すれば、
  ・その認知だけで被害者は混乱して身動きがとれなくなる。
   (ついには、このような矛盾した形で世界が成立していると知覚する)


被害者は物事を論理的に判断する能力を麻痺させてしまう。(松原,2002)

 

 

 

 

【例】

親が子供に「おいで」と(言語的に)言っておきながら、

いざ子供が近寄ってくると突き飛ばしてしまう。

(非言語的であり、最初の命令とは階層が異なるため、矛盾に気づきにくい)。

呼ばれてそれを無視すると怒られ、近寄っていっても拒絶される。

子は次第にその矛盾から逃げられなくなり疑心暗鬼となり、家庭外に出ても

そのような世界であると認識し別の他人に対しても同じように接してしまうようになる。

そして以下のような症状が現れる、とした。

 

 

 


●言葉に表されていない意味にばかり偏執する(妄想型)

●言葉の文字通りの意味にしか反応しなくなる(破瓜型)

●コミュニケーションそのものから逃避する(緊張型)

 

 

 

 

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※【参考文献】


「カウンセリング大事典」2004 小林司/編 新曜社

 

昇華

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昇華(sublimation)|防衛機制 

 

防衛機制 (defense mechanisms)

 

 

 

【昇華】

 ・性や攻撃性など社会的に認められない衝動を芸術活動やスポーツなどの、

より社会的・道徳的に価値あるものに置き換えること。自我が自分を守るための手段の一つ。 

 

 

 

◇昇華の概念は、アンナ・フロイトや、

フェニケル(Otto.Fenichel  1898~1946)などにより明確化された。

 

アンナ・フロイトは、「自我と防衛」(1937)で、「昇華は衝動に対する自我の防衛であり、

衝動による脅威からおきる不安や超自我(良心)のとがめが生じる不安からの防衛の手段である」

としている。

 

精神発達との関連では、社会的価値の理解を前提とし、

超自我がなければ昇華が成立しないことから、一般に3~5歳に抑圧とともに昇華が学習され、

6~12歳の学童期に昇華は主役となり、勉強やスポーツに熱中し、

特に思春期には芸術上にも創造的な活動がみられるとしている。

 

 

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◇ フェニケル(Otto.Fenichel  1898~1946)は、葛藤に対する不安を防衛したかどうかによって、

昇華を成功的防衛(successful  defense)と、不成功的防衛(unsuccessful  defense)とに分けた。

 

前者が衝動を直接に満足させる代わりに、対象を間接的なものに置き換えて、

社会に適応した形で満足できるので、衝動のエネルギーが解き放されて、

葛藤は適切に解決され、衝動のエネルギーを生産的で有用なエネルギーとして活用できる。

 

一方、防衛に成功しないと衝動は抑圧などによって無意識の中に閉じ込められ、

この抑圧のために精神的エネルギーや回避するエネルギーを消費してしまうので、

最終的に神経症の形を示す、とフェニケルは考えた。

 

 

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 ◇「昇華」は、スポーツ、芸術活動などによる満足とともに葛藤を自ら解決した満足感で満たされる。

また、昇華の能力は個人による格差が大きく、衝動の強さ、資質の差、教育の差、

柔軟性などによって異なる。

 

最低限の衝動の解放ができない場合は神経症状態に陥ることから、

個人の昇華能力の大小は、その人の健康のバロメーターでもある。

 

昇華の働きは、人類が他の動物と異なった文化を創造する上で重要な働きをしている。

 

 

 

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【アンナ・フロイト】(Anna Freud 1895年12月3日~1982年10月9日)

 

精神分析の創始者・ジークムント・フロイトの娘で、イギリスの精神分析家。児童精神分析の開拓者。

ウィーン生まれ。ウィーンのコッタージ・リセウム(Cottage Lyceum)に学ぶ。

1914年にイギリスに渡り、戻って自分が学んだリセで教鞭をとる。

1918年、父から精神分析を学び、その道に入る。

最初の論文は、1922年発表。1923年から精神分析家としての実践を開始。

同年、父ジークムントが癌である事が判明、以来雑務に支障を来たすようになった父親に代わり、

国際精神分析学会の事務局長、ウィーン精神分析訓練研究所の所長などを引き受ける。

1939年、父親が死去してからは、ますます児童心理学に専念。

メラニー・クラインとの研究上の意見の相違からイギリスの精神分析学会で論争を引き起こす。

その間にも弟子(たとえば、エリク・エリクソンなど)を多数育て、

戦争が子ども達に与えた影響なども調査。

特に、幼児の防衛機制についての研究が名高い。

 

 

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【ジークムント・フロイト】(ドイツ:Sigmund Freud 1856年5月6日~1939年9月23日)

 

オーストリアの精神分析学者。オーストリアの白人系ユダヤ教徒アシュケナジーの家庭に生まれた。

神経病理学者を経て精神科医となり、神経症研究、自由連想法、無意識研究、

精神分析の創始を行い、さらに精神力動論を展開した。

非常に詳細で精密な観察眼を示す症例報告を多数残した。

それらは、現在においても次々と新しい角度から研究されている。

フロイトの提唱した数々の理論は、のちに彼の弟子たちによって

後世の精神医学や臨床心理学などの基礎となったのみならず、

20世以降の文学・芸術・人間理解に広く甚大な影響を与えた。

弟子たちは、フロイトの考え方のどこかしらを批判した上でこれを受け継ぎ、

様々な学派に分岐し、それぞれ独自の理論を展開していった。

 

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※【参考文献】

「カウンセリング大事典」2004 小林司/編 新曜社
「図説 現代心理学入門」三訂版2007 金城辰夫/監修 培風館 
「自我と防衛」1985 A・フロイト/著 誠信書房
「自我と防衛機制」1998 アンナ・フロイト著作集 A・フロイト/著 岩崎学術出版社
「自我論 不安本能論」1970 S・フロイト著作集 S・フロイト/著 人文書院
「フロイト全集 第19巻」2010 S・フロイト/著 岩波書店
*1925-28年 否定、制止、症状、不安、素人分析の問題

「S・フロイト自我論集」1996 ジークムント・フロイト/著 筑摩書房

絵画療法|アートセラピー (art therapy)

 

 

◇広い意味での芸術療法(arts therapy)のうち、主として絵画を媒体として行われる心理療法。

 

 

◇長期入院患者に対するレクリエーション療法として行なわれる場合と、

非言語的精神療法(nonverbal psychotherapy)として行なわれる場合とがある。

絵画療法は言語的心理療法や薬物療法などに対して補助的な治療的意義をもつが、

若年児など言語によるコミュニケーションが困難なクライエントにあっては、

治療的アプローチの中心ともなりうる。

 

 

◇絵画療法では以下に述べる絵画表現の特徴を利用して、

心身に障害のある者の診断と治療を行なう。

まず、描画表現には、言語では表現できない感情が投影されたり、

意識下におさえられている問題が象徴的に表現される場合がある。

そのため、描画を通じて、治療者が患者の問題点を把握したり、

患者が自らの内面の心理に気づくことができるほか、

表現すること自体がカタルシス(浄化)の効果を有する場合がある。

 

 

◇描画表現は、個性的であると同時に、

一定のパターンに従って表出が行なわれる傾向がある。

例えば・・・

木や人物や風景の描画は、描く人の年齢や発達に応じて一定の特徴を示す。

また統合失調症や躁うつ病あるいは神経症者の描画にそれぞれの特徴があることも知られている。

 

表現された描画をみて、人の発達段階や精神状態をある程度、把握することも可能である。

また、患者の描画の変化を継時的に追うことによって、

症状の経過や予後についての知見が得られる場合もある。

 

 

 ◇描かれたものは、治療者にも患者にも属さない第3の領域として存在する。

そのため、治療者と患者とは、描かれたものについて、

感じていること、気づいたことを、余裕をもって話し合うことができる。

 

さらに、治療者と患者の関係の中で、患者の内的なイメージを吟味することで、

患者が自分ひとりでは受け入れる事ができなかった感情や感覚に触れ、

洞察を深めることができる。

 

患者が言葉をとおしては感じられなかった自分らしさに気づき、

治療者もそれを感じとって行くことが、

人との信頼関係を回復させることにもつながって行く。

 

 

 

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◇絵画療法の技法を大きく分けると、個別法と集団法、自由画法と課題画法などがある。

自由画法とは「今、心に浮かぶこと、気になっていることなどを何でもいいから、

自由に絵にしてみてください」などという教示によって描いてもらう。

人によっては、自由に描くことが、かえって困難な場合があり、

絵画療法の適応の可否を確かめる意味からも次のような方法をとる場合がある。

 

 

 

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(1)空間分割法

 

・画用紙に患者が縦横の線を引いて分割する。

色彩分割法では、そこに生じた小空間にクレヨンで色彩をつける。

それらを患者と治療者が交互に行なう場合もある。

また、先に治療者が患者の目の前で画用紙に枠を描く方法を「枠づけ法」と呼ぶ。

 

 

(2)なぐり描き法

 

・患者が自由になぐり描きをし、それに投影したものを彩色する、スクリブル(scribble)法や、

これを患者と治療者が交互に行なう、スクイッグル(squiggle)法がある。

「枠づけ法」が併用される場合が多い。

 

 

(3)バウムテスト

 

・コッホ(K.Koch)によって創案された心理テスト。樹木画法ともいう。

画用紙に鉛筆で樹を1本描いてもらうことによって、

患者の発達段階や人格的側面を理解することに役立つ。

 

 

(4)人物画法

 

・人間の全身像を描くもの。

グットイナフ(F.L.Goodenough)によって、

子どもの知的水準や発達段階をとらえるための「心理検査」とされた。

 

 

(5)風景画法

 

・徳田良仁らは、バック(J.N.Buck)のHTP法(家と木と人)を発展させ、

1枚の紙にこれら三つのアイテムを描く、「統合的HTP法」を考案した。

 

・中井久夫は、「風景構成法」

(画用紙に枠づけし、患者がサインペンで、川・山・田・道・家・木・人・花・動物・石を順に描き、

風景を完成させる。他に描きたいものがあればそれを付加し、クレヨンで色彩をつける)を創案した。

 

 

 (6)家族画法

 

・バーンズとカウフマン(R.C.Burns & S.H.Kaufmann)は、

患者の家族ついての情報を得ることを目的として「動的家族描画法」を開発した。

 

・岩井寛は、患者個人の家族イメージを重視し、「マルと家族画法」を提唱した。

 

家族療法では、これらを家族の成員がそれぞれ個別に描くことにより、

家族間のコミュニケーションの媒体として用いることがある。 

 

 

 

 

 

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【カール・グスタフ・ユング】 Carl Gustav Jung (1875年7月26日~1961年6月6日)

 

スイスの精神科医・心理学者。

深層心理について研究し、分析心理学(通称・ユング心理学)の理論を創始した。

スイス、ボーデン湖畔のケスヴィルでプロテスタント牧師の家に生まれる。

少年期は己の内面に深い注意が向けられ、善と悪、神と人間についての思索に没頭し、

学生時代はゲーテ、カントやニーチェの著作に感銘を受けた。

内的な基盤を持たない形式的な信仰というものに疑問を感じ、

牧師という職を継ぐことを特には望まず、名門バーゼル大学で医学を学んだ。

 

生理学的な知識欲を満たしてくれる医学や、歴史学的な知識欲を満たしてくれる考古学に

興味を抱き、友人と活発に議論を交わし、

やがて人間の心理と科学の接点としての心理学に道を定めた。

精神疾患の人々の治療にあたるとともに疾患の研究もすすめ、

特に当時不治の病とされた分裂病(統合失調症)の解明と治療に一定の光明をもたらした。

ヒステリー患者の治療と無意識の解明に力を注いでいたフロイトと一時親しく意見を交わした。

1948年に共同研究者や後継者たちとともに、スイス・チューリッヒにユング研究所を設立し、

ユング派臨床心理学の基礎と伝統を確立した。

またアスコナで開催されたエラノス会議において、主導的役割を演じることで、

深層心理学・神話学・宗教学・哲学など、

多様な分野の専門家・思想家の学際的交流と研究の場を拓いた。

 

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※【参考文献】


「カウンセリング大事典」2004 小林司/編 新曜社

 

逆転移|対抗転移

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対抗転移 逆転移 (counter-transference)

 

 

◇被分析者に対する分析者の無意識的反応の総体

 

◇特に被分析者の転移に対して、分析者自身の無意識的、不合理、幼児的な感情、

思考、態度が、被分析者に繰り返し向けられる現象。

 

 

 

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◇対抗転移は、1910年にフロイトにより初めて精神療法に導入された概念で、

転移と同様に重要な役割を果たしている。

 

フロイトは、「被分析者が分析者に対して向ける特殊な感情や態度のこと」を「転移」と呼び、

これとは逆方向に、「分析者の側が無意識のうちに被分析者に対して個人的な感情を向けたり、

私的な反応をすること」を「対抗転移」(逆転移)と呼んだ。

 

  

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 ◇被分析者の無意識の葛藤を正しく解釈するのに重要な分析者の中立性を

対抗転移が損なう恐れがあるとフロイトは考えた。

そこで、当初対抗転移を分析者の抵抗と考え、被分析者を治療するうえでの障害であるから、

できるだけ避けるべきであり、分析、あるいは少なくとも自己分析によって、

消滅されるべきだ、とされた。

 

 

◇これに対してユング(1875~1961)は、分析者も人間である以上、

いかに受け身的、中立的態度を保持しようとしても、ときには被分析者に深く影響されざるを得ない。

だから、この事実を受け入れ可能な限り、意識化するほうが良い、とした。

そこで、分析者が自己の無意識過程を熟知するために教育分析を受ける必要があることを力説した。

 

 

このように、対抗転移には、歴史的に治療の妨げになるので出来るだけ排除しようとする立場と、

対抗転移を自覚、理解し、柔軟適切に治療に活用しようとする立場と二つがある。

 

当初、対抗転移は、内容が分析者自身にかかわることであるだけに、

あいまいにされてきたきらいがあった。

しかし、1950年以降、治療が人間関係によることがますます理解され、

分析者の反応がより重要視されるようになったことにより、

治療を進めるうえで、対抗転移も積極的な意義があるものとして注目されるようになった。

 

 

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◇ハインリッヒ・ラッカー(Heinrich Racker)

・ハインリッヒ・ラッカーは、「転移状況は必ず対抗転移状況を誘発する。

そしてそれは普遍的な、そして個人に固有な無意識の法則に従っている」と述べ、

対抗転移の特徴を次の3つにわけた。

 

a・・・転移と同様に分析作業にとって最大の危険物である。

b・・・患者を理解する最上の手段である。

c・・・解釈する人としての分析医を補助するものである。

 

 

◇アニイ・ライヒ(A.Reich)

・アニイ・ライヒは、「対抗転移は(ただ不可解な事象であるだけでなく、また)、

分析治療に必要な前提条件でもあるのだ。

もしもそれが存在しないならば、分析治療に必要な才能や興味が失われてしまう。

しかし、それは、影のように背景にとどまっていなければならない」と述べ、

対抗転移の重要性と特質とを説明している。

 

 

◇メニンガー(K.Menninger)

・メニンガーは、対抗転移の一般的な現れ方を次のように4つあげている。

 

1・・・嫌悪感、不快感、不安、抑うつ感、無力感、焦り、などの感情。

2・・・共感できない特定の話題にとらわれる、眠くなる、身構える、自分のことにとらわれる

    遅刻する、度忘れ。 

3・・・過度に好意を向ける、援助したがる、恋愛的、性愛的な感情が続く。

4・・・患者の夢を見る。

 

◇このように対抗転移を理解し、この存在に注意を払っていなければならないが、

ただ、対抗転移を恐れるあまり、治療が不毛になってはならない。

また、自分の対抗転移の分析に夢中になりすぎて、治療本来の対象を忘れてしまったり、

知的に分析するだけで事足れりという態度は治療の妨げになるので、

分析者はたびたび教育分析を受け、治療過程を見つめなおす必要がある。

 

 

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◇現在ではシンガー(E,Singer)の立場が一般に広く受け入れられている。

対抗転移は、「治療者が自分自身について何かを知ったり、学んだりすることへの、

治療者自身の抵抗の現れとして、また自分自身のある側面を忘却し、

未解決の葛藤を隠しておきたいという願望の反映として考えられる」と述べている。

 

 

◇精神分析療法は、病める人と健康な人との間の相互関係とみなされがちであるが、

本来は、2人の人格の相互関係である。

二つの全人格がそれぞれに、分析状況の一つ一つの出来事に影響しているのである。

したがって、治療関係において、分析者は、被分析者の転移や防衛を理解しようとすることだけでなく

自分自身の中におこっているいろいろな対抗転移を認識、コントロールすることが、

被分析者の理解につながる、という相互作用を重要視する必要がある。

 

 

 

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【カール・グスタフ・ユング】 Carl Gustav Jung (1875年7月26日~1961年6月6日)

 

スイスの精神科医・心理学者。

深層心理について研究し、分析心理学(通称・ユング心理学)の理論を創始した。

スイス、ボーデン湖畔のケスヴィルでプロテスタント牧師の家に生まれる。

少年期は己の内面に深い注意が向けられ、善と悪、神と人間についての思索に没頭し、

学生時代はゲーテ、カントやニーチェの著作に感銘を受けた。

内的な基盤を持たない形式的な信仰というものに疑問を感じ、

牧師という職を継ぐことを特には望まず、名門バーゼル大学で医学を学んだ。

 

生理学的な知識欲を満たしてくれる医学や、歴史学的な知識欲を満たしてくれる考古学に

興味を抱き、友人と活発に議論を交わし、

やがて人間の心理と科学の接点としての心理学に道を定めた。

精神疾患の人々の治療にあたるとともに疾患の研究もすすめ、

特に当時不治の病とされた分裂病(統合失調症)の解明と治療に一定の光明をもたらした。

ヒステリー患者の治療と無意識の解明に力を注いでいたフロイトと一時親しく意見を交わした。

1948年に共同研究者や後継者たちとともに、スイス・チューリッヒにユング研究所を設立し、

ユング派臨床心理学の基礎と伝統を確立した。

またアスコナで開催されたエラノス会議において、主導的役割を演じることで、

深層心理学・神話学・宗教学・哲学など、

多様な分野の専門家・思想家の学際的交流と研究の場を拓いた。

 

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【ジークムント・フロイト】(ドイツ:Sigmund Freud 1856年5月6日~1939年9月23日)

 

オーストリアの精神分析学者。オーストリアの白人系ユダヤ教徒アシュケナジーの家庭に生まれた。

神経病理学者を経て精神科医となり、神経症研究、自由連想法、無意識研究、

精神分析の創始を行い、さらに精神力動論を展開した。

非常に詳細で精密な観察眼を示す症例報告を多数残した。

それらは、現在においても次々と新しい角度から研究されている。

フロイトの提唱した数々の理論は、のちに彼の弟子たちによって

後世の精神医学や臨床心理学などの基礎となったのみならず、

20世以降の文学・芸術・人間理解に広く甚大な影響を与えた。

弟子たちは、フロイトの考え方のどこかしらを批判した上でこれを受け継ぎ、

様々な学派に分岐し、それぞれ独自の理論を展開していった。

 

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※【参考文献】

「転移と逆転移」2000 H,ラッカー/著 岩崎学術出版社
「カウンセリング大事典」2004 小林司/編 新曜社
「図説 現代心理学入門」三訂版2007 金城辰夫/監修 培風館 
「ユングの分析技法」転移と逆転移をめぐって マイケルフォーダム/編 培風館
「転移・逆転移―臨床の現場から」 氏原寛/編 人文書院
「分析空間での出会い―逆転移から転移へ」1998 松木邦裕/著 人文書院

 

ハンス・セリエ

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ハンス・セリエ  Hans Selye (1907-1982)

 

 

 

【ハンス・セリエ】ハンス・セリエ Hans Selye (1907-1982)

 


・セリエは、カナダの科学者でキャノンやベルナールなどの研究を発展させ、

刺激に対する生体の反応について体系づけ1936年Natureという科学雑誌に「ストレス学説」を発表。

 

日常的に用いられるストレスという言葉は、有害な環境因子(ストレッサー)を意味するが、

ハンス・セリエが導入したストレス概念は、有害・無害、有益・無益を問わず、

何らかの刺激に対する生体の非特異的な反応を意味するもの。

 

「ストレス」という言葉は生物が外的あるいは内的な刺激に適応していく過程を概念化したもの。

適応の過程では自律神経や各種のホルモンが働く。人の意志の働く。

 

 

セリエの「 stress without distress」という著書に "Stress is the spice of life" という文章がある。

 

「ストレスは人生のスパイスである」という意味。

 

彼はまた "Absence of stress is death" とも述べている。

「ストレスの欠如は、死である」という意味。

 

 

ストレス(ストレッサー)には有害なものだけでなく有益なものもあり、

いずれにしても生きていく上で避けて通ることが出来ないものなら、

悪と善の区別することなく丸ごと受け入れて、乗り切ることが大切だということを説いている。

 

 

 

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【ストレス】

 

 

◆心理学的ストレス理論

・生活の中で日常的に感じるストレスを心理学的に理解してその対処を考える理論。

 

◆ストレスの心理学的理解

・ハンス・セリエ(1907~1982)によって提唱された「ストレス」の概念は、

外界からもたらされる非特異的な身体的反応を総称するものであった。

 

ところが・・・

セリエのストレス学説は基本的に生理学的なストレスのメカニズムに焦点を当てており

心理学的要因についてはほとんど考慮されていなかった。

 

その後の研究においては・・・

いずれもストレスが生起する過程において心理学的要因が重要であることが報告されている。

 

現在「心理学的ストレス」の定義として最も広く支持されているのは、

アメリカの心理学者「R・S・ラザルス(1922~2003)」の定義である。

 

ラザルスは、ストレスを、「外的状況の特性や内的状態ではなく、環境の要求とその認知、

およびそれに対する対処能力の認知との複雑な相互作用からもたらされる過程を指す」と定義した。

 

 

 

◆心理学的ストレス反応は・・・ 

情動的な変化を中心とする反応であり、

情動的反応に伴って生じる認知的反応や行動的反応を含んでいる。

 

  

 

 

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※【参考文献】

「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書
「認知療法・認知行動療法カウンセリング」2006 伊藤絵美/著 清和書店
「 stress without distress 」 ハンス・セリエ/著

ラザルス

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ラザルス  Lazarus,Richard S. (1922-2003) アメリカの心理学者

 

 

 

【R・Sラザルス】 (1922-2003) 

 

・ラザルスは、心理的ストレス研究の第一人者であり、

ストレスに対する認知の役割を重視した理論を提唱している。

 

 

ストレスの程度について・・・

 

1:出来事の脅威度や影響性をどのようにとらえているか

2:直面する問題をどの程度コントロールできると認識しているか

3:どのような具体的対応を行ったかの個人差に強く影響される

 

 

ラザルスらは、この理論に基づく実証的研究を幅広い年齢層に対して行い、

心理的ストレス発生のメカニズム解明に大きく貢献した。

 

 

 

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【ストレス】

 

◆心理学的ストレス理論

・生活の中で日常的に感じるストレスを心理学的に理解してその対処を考える理論。

 

◆ストレスの心理学的理解

・ハンス・セリエ(1907~1982)によって提唱された「ストレス」の概念は、

外界からもたらされる非特異的な身体的反応を総称するものであった。

 

ところが・・・

セリエのストレス学説は基本的に生理学的なストレスのメカニズムに焦点を当てており

心理学的要因についてはほとんど考慮されていなかった。

 

その後の研究においては・・・

いずれもストレスが生起する過程において心理学的要因が重要であることが報告されている。

 

現在「心理学的ストレス」の定義として最も広く支持されているのは、

アメリカの心理学者「R・S・ラザルス(1922~2003)」の定義である。

 

ラザルスは、ストレスを、「外的状況の特性や内的状態ではなく、環境の要求とその認知、

およびそれに対する対処能力の認知との複雑な相互作用からもたらされる過程を指す」と定義した。

 

 

◆心理学的ストレス反応は・・・ 

情動的な変化を中心とする反応であり、

情動的反応に伴って生じる認知的反応や行動的反応を含んでいる。

 

  

 

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※【参考文献】

「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書
「認知療法・認知行動療法カウンセリング」2006 伊藤絵美/著 清和書店
「 stress without distress 」 ハンス・セリエ/著

アルバート・エリス

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アルバート・エリス 

 

 

 

【アルバート・エリス】 Ellis,Albert (1913年9月27日~2007年7月24日)

 

 

・アメリカの心理学者。

 

論理療法の創始者であり、ニューヨーク市で論理療法研究所を主宰している。

エリスの理論では、人間の認知・感情・行動は互いに影響し合っており、

論理療法は、この3つの側面を統合的にとらえるという特徴をもつとしている。

 

・論理療法では、クライエントの非現実的な信念や思考過程の修正を求め、

新しいシェマを通じて環境と関わることを目指す。

エリスは結婚、家族、性の問題についての治療、研究を積極的に行っている。

 

 

 

 

 

 

 

※【参考文献】

「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣双書
「論理療法入門」1998 ウィンディ・ドライデン/著 川島書店
「実践論理療法入門」1997 ウィンディ・ドライデン レイモンド・デジサッピ/著 岩崎学術出版
「論理療法」1981 アルバート・エリス R・A・ハーバー/著 川島書店
「自分をみじめにしないためには」1996 アルバート・エリス/著 川島書店
「自己変革の心理学」1990 伊東順康/著 講談社現代新書
「自己発見の心理学」1991 国文康孝/著 講談社現代新書

 

 

親からの自律

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~母親からの自律~


 

母親は子供の無条件の味方であることが必要なのである。

 

絶対的であってもファンというのではダメなのだと思う。

 

(中略)

 

何よりも一番の絶対的ファンであっても、何らかの条件がついているのである。

それに対して、無条件の味方とは、何があってもどんな状態でも、

たとえネガティブ(否定的)な要素があっても、すべてひっくるめて受けとめてその立場に立ち、

一緒に戦うことができることをいうのである。

 

 

また、感情や思考も、非自己であれば、言語なり行動なり何らかの形で表現しなければ、

理解することは難しい。

自分自身の気持ちでさえ、言語化してみることで確認されるということがあるくらいなのだ。

 

 

もちろん、家庭の内での仕事は、夫婦がすべて同じように担う必要はないだろし、

分担の方法はあるだろう。

問題は、妻だから、主婦だからあるいは女性だからということが理由で、

家事を妻にすべて担わせるのではなく、お互いに必要なら

自分のことは自分でする責任性と能力を身につけておく必要があるということなのだ。

 

 

子供をどんな人間に育てるかは、たしかに母親の責任だろうが、ある程度に成長してからは、

育ってきた心理的な環境や親子関係のなかで自分をどうコントロールし、

確立していくかは本人の問題である。

娘として、母親とよりよい関係を結ぶためにも、自分自身をありのままに見つめ直して、

自分の気持ちにフィットした自分の人生を生きているかと、

日々、自分に問いかけ、確認することである。

 

 

 

 

 

 

【参考文献】:『愛しすぎる悩み、愛されない不安』  広済堂出版

 *中村 延江(なかむら のぶえ)/著  臨床心理士

 


*桜美林大学大学院臨床心理学教授・臨床心理センター長/中央心理研究所所長/
日本大学医学部兼任講師/早稲田大学法学部非常勤講師を兼任
早稲田大学第一文学部哲学科心理学専修卒業、筑波大学大学院教育研究科修了
著書に「愛しすぎる悩み、愛されない不安~母と娘の心理学」(廣済堂出版)
「女性のストレス対処法」(新星出版社)
「人とつきあうのが今よりラクになる本」(大和書房)他多数。

仙台カウンセリング

 

●感情否定しないで思い切って「ひたりきる」

 

心理学では「別れ」「喪失」といった強いストレスによる悲しみには特にしっかりひたる必要がある、

と考えられています。

なぜなら悲しみを無視し続けると予期せぬときに感情がバクハツしたり

いつまでも癒せなくなってしまうため。

 

反対にしっかりひたりきることができれば気持ちがキチンと消化され自然と乗りこえていくことができます。

日々の生活でもつらいなぁと思って涙が出たら、だれかに胸を貸してもらったりして思う存分泣きましょう。

 

 

また泣ける映画を見たり悲しい歌を聴いたりしながら感情移入して涙を流すのも良い方法。

泣くなんてかっこ悪いと思いがちな人こそストレスから抜け出すための大事なプロセスとして

「感情にひたる」ことを自分に許してあげましょう。

 

 

 

 

 

 

【参考文献】:「1ヶ月で新しい自分に生まれ変わる方法」2009 すばる舎

*中村 延江(なかむら のぶえ)/著  臨床心理士

 

 


*桜美林大学大学院臨床心理学教授・臨床心理センター長/中央心理研究所所長/
日本大学医学部兼任講師/早稲田大学法学部非常勤講師を兼任
早稲田大学第一文学部哲学科心理学専修卒業、筑波大学大学院教育研究科修了
著書に「愛しすぎる悩み、愛されない不安~母と娘の心理学」(廣済堂出版)
「女性のストレス対処法」(新星出版社)
「人とつきあうのが今よりラクになる本」(大和書房)他多数。


 

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