心理学: 2009年10月アーカイブ

トラウマ

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・・・◆・ トラウマ ・◆・・・

 

トラウマとは、簡単にいうと心の傷のことです。
日常の不安や恐怖などの一時的な症状と違って、心が傷つき、それが残り続けることを言います。

 

不安や恐怖は、一時的に強いストレスとなりますが、時間がたてば弱まり、気にならなくなるものです。
いっぽう、トラウマは、時間が解決してくれるというわけにはいかないものなのです。

 

 

 

・・・◆・ トラウマ*の影響 ・◆・・・

 

*トラウマを体験すると、そのショックで考え方がネガティブになったり、
価値観が変わったりして、現実感を失い、以前の自分との違いに苦しみます。



●価値観がガラッと変わる

・トラウマ体験は、人生を揺るがすような衝撃的な出来事です。
体験をする前には当たり前のように信じていた安全、幸福、友情といった価値観が、
まったく信じられないものに変わってしまうことがあります。

 

【以前の価値観】
・夢はかなうと信じているから、何事にも前向きに取り組める。

 

【体験後の価値観】
・つらい体験によって何も信じられなくなり、ひきこもってしまう。

 

 


・・・◆・ トラウマ*による苦しみと辛さ、孤立感 ・◆・・・

 

・トラウマ体験は、被害者の人生を一変させてしまいます。
夢や希望を信じることができなくなり、悲観的な価値観に心を支配されます。
あまりのつらさに、人生が悪夢のように感じられ、現実感をもてません。

 

・その気持ちを「自分のいる世界はもう壊れてしまった」
「いつか悪夢からさめて、すべてなかったことになるような気がする」などと表現する人もいます。
被害者の内面は大きく変わってしまっているのですが、それは、周囲にはなかなか理解されません。

 

 

 

 

 

 

 


※参考文献
*「PTSDとトラウマのすべてがわかる本」 飛鳥井望/監修 講談社

*「PTSD治療ガイドライン エビデンスに基づいた治療戦略」 金剛出版
 エドナ・B・フォア、テレンス・Mキーン、マシュー・J・フリードマン/編

 

 

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ASDの診断基準

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ASD(Acute  Stress  Disorder)急性ストレス障害の診断基準

 

 

【A】 その人は以下の2つがともに認められる外傷的な出来事に暴露されたことがある。

 

(1)実際にまたは危うく死ぬまたは重傷を負うような出来事を、1度または数度、あるいは
   自分又は他人の身体保全に迫る危険をその人が体験し、目撃し、または直面した。

(2)その人の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。

 

【B】 苦痛な出来事を体験している間、またはその後に、以下の解離症状の3つ(またはそれ以上)がある。

 

(1)麻痺した、孤立した、または感情反応がないという主観的感覚

(2)自分の周囲に対する注意の減弱(例:"ぼうっとしている")

(3)現実感消失

(4)離人症

(5)解離性健忘(すなわち、外傷の重要な側面の想起不能)

 

【C】 外傷的な出来事は、少なくとも以下の1つの形で再体験され続ける

    ・反復する心像、思考、夢、錯覚、フラッシュバックのエピソード、
     または、もとの体験を再体験する感覚
    ・または、外傷的な出来事を想起させるものに暴露されたときの苦痛。

【D】 外傷を想起させる刺激(例:思考、感情、会話、活動、場所、人物)の著しい回避。

 

【E】 強い不安症状または覚醒の亢進(例:睡眠障害、いらだたしさ、集中困難、過度の警戒心、
    過剰な驚愕反応、運動性不安)。


【F】 その障害は、臨床上著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における
    機能の障害を引き起こしている、または外傷的な体験を家族に話すことで必要な助けを
    得たり、人的資源を動員するなど、必要な課題を遂行する能力を障害している。


【G】 その障害は、最低2日間、最大4週間持続し。外傷的出来事の4週間以内に起こっている。

 
【H】 障害は、物質(例:薬物乱用、投薬)または一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものではなく、
   短期精神病性障害ではうまく説明されず、すでに存在していた1軸または2軸の障害の単なる悪化でもない。 

 

 

 

 

 

※参考文献:「DSM-IVーTR 精神疾患の分類と診断の手引」 高橋三郎、大野裕、染矢俊幸/訳 医学書院

 

 

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ASD(Acute  Stress  Disorder)急性ストレス障害の特徴


●ASD(Acute  Stress  Disorder)急性ストレス障害
・事件や事故、災害などの直後からトラウマ反応があり、
その後のPTSD発症が考えられる状態。


●ASD(Acute  Stress  Disorder)急性ストレス障害は、PTSD発症の前兆

・トラウマ体験から1ヶ月以上経過しないと診断できないPTSDに対して、
体験の直後から診断できるのがASDです。

ASDの症状がみられる場合、その後PTSDに移行する可能性が高く、
早期の対応が求められます。


●ASDに対応すればPTSDを防げる

・トラウマ*によって発症する病気には、PTSDのほかに、ASDというものがあります。
PTSDは事件や事故から1ヶ月以上症状が続かないと、診断されません。

しかし、実際には事件直後からPTSD症状が出て苦しむ人もいます。
そういった人を診断できないからといって放っておくわけには行きません。

・体験直後に解離症状を伴う顕著なトラウマ反応がある場合にはASDと診断して、対処します。
ASDの決め手は「解離症状の有無」です。この症状がある人はPTSD発症が予想されます。

 


【解離症状】


・感情がまひして、悲しめなくなる
・感情表現が少なくなり、悲しみや苦しみを感じているようにみえない
・自分の心が体から離れてしまったような感覚
・感情や現実感が失われ、何事も実感がわかなくなる
・突然の家族の死がドラマのシーンのように思える
・けがをしたのに痛くない
・こわいはずなのに何も感じない
・ときどきぼんやりして"うわのそら"になることがある
・日によって態度や性格が大きく異なる

 

 
◆あまりにもつらいと心が凍りつく◆


・解離症状とは、心が凍りついたような状態になることです。

家族との死別や衝撃的な事件などを体験した時、
その悲しみや苦しみを受け止めきれず、心がかたまってしまうのです。

気持ちが混乱した状態にも関わらず、表面的には平然として、
葬儀をすすめたり、警察の事情聴取に応じたりすることがあります。

 

 

◆しばらくたってから急に悲しくなる◆


・解離は多くの場合、一過性の反応(症状)として現れます。
トラウマ体験からしばらくたって、考える余裕ができると、
悲しみを急に強く感じたり、行動する気力を一気に失ったりします。

一過性で終わらず、慢性化するとパーソナリティ障害に陥ることもあります。
いずれにせよ、周囲が解離症状に気づいて、サポートすることが必要です。

 

 

 


※参考文献
*「PTSDとトラウマのすべてがわかる本」 飛鳥井望/監修 講談社

*「PTSD治療ガイドライン エビデンスに基づいた治療戦略」 金剛出版
 エドナ・B・フォア、テレンス・Mキーン、マシュー・J・フリードマン/編

 

 

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PTSDの診断基準

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PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断基準


 

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断基準

 


【A】 その人は以下の2つがともに認められる外傷的な出来事に暴露されたことがある。

 

(1)実際にまたは危うく死ぬまたは重傷を負うような出来事を、1度または数度、あるいは
   自分又は他人の身体保全に迫る危険をその人が体験し、目撃し、または直面した。

(2)その人の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。
注:子供の場合はむしろ、まとまりのないまたは興奮した行動によって表現されることがある。

 

【B】 外傷的な出来事が以下の1つ(またはそれ以上)の形で再体験され続けている。

 

(1)出来事の反復的、侵入的、かつ苦痛な想起で、それは心像、思考、または知覚を含む。
注:小さい子供の場合、外傷の主題または側面を表現する遊びを繰り返すことがある。

(2)出来事についての反復的で苦痛な夢。
注:子供の場合は、はっきりとした内容のない恐ろしい夢であることがある。

(3)外傷的な出来事が再び起こっているかのように行動したり、感じたりする
  (その体験を再体験する感覚、錯覚、幻覚、および解離性フラッシュバックのエピソードを含む、
   また、覚醒時または中毒時に起こるものを含む)
注:小さい子供の場合、外傷特異的なことの再演が行われることがある。

(4)外傷的出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに
   暴露された場合に生じる、強い心理的苦痛。

(5)外傷的出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに
   暴露された場合の生理学的反応性。

 

【C】 以下の3つ(またはそれ以上)によって示される、
   (外傷以前には存在していなかった)外傷と関連した刺激の持続的回避と、
   全般的反応性の麻痺

 

(1)外傷と関連した思考、感情、または会話を回避しようとする努力

(2)外傷を想起させる活動、場所または人物を避けようとする努力

(3)外傷の重要な側面の想起不能

(4)重要な活動への関心または参加の著しい減退

(5)他の人から孤立している、または疎遠になっているという感覚

(6)感情の範囲の縮小(例:愛の感情をもつことができない)

(7)未来が短縮した感覚(例:仕事、結婚、子供、または正常な寿命を期待しない)

 

【D】 (外傷以前には存在していなかった)持続的な覚醒亢進症状で、
    以下の2つ(またはそれ以上)によって示される。

 

(1)入眠、または睡眠持続の困難

(2)いらだたしさまたは怒りの爆発

(3)集中困難

(4)過度の警戒心

(5)過剰な驚愕反応

 


【E】 障害(基準B,C、及びDの症状)の持続期間が1ヶ月以上。

 


【F】 障害は、臨床上著しい苦痛、または社会的、職業的、
   または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

 

 

 

 

 

※参考文献:「DSM-IVーTR 精神疾患の分類と診断の手引」 高橋三郎、大野裕、染矢俊幸/訳 医学書院

 

 

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PTSD(Posttraumatic  Stress  Disorder)

心的外傷後ストレス障害の特徴


●PTSD(Posttraumatic  Stress  Disorder)は、

心的外傷後ストレス障害という病気です。

災害や事件などにあって、その体験がトラウマとなり、

生活に支障がでている状態を指します。

 

●災害や事件、事故による甚大な被害は、

人間の心にトラウマとなって残り、PTSD症状を引き起こします。

PTSDは、もとはアメリカで注目された考え方で、

戦争体験の後遺症として研究されてきた概念です。

それが日本で震災や事件にあった人にもみられることがわかり、

日本でも研究されるようになったのです。

 

●PTSD、トラウマという概念は、

このような経緯を経て日本社会に普及してきましたが、

まだ理解は十分とは言えず、多くの誤解をともなっているようです。

PTSD症状に苦しむ人が、周囲の誤解によって傷つき、

二次的な被害をうけることも決して少なくありません。

 

◆大きな災害や事件にあうと、精神的にダメージを受けます。

なかでも傷が深い人は、PTSDなどのストレス反応におそわれ

当時の恐怖を何度も思い出し、苦しみます。

 

 


PTSD 主な3つの特徴


*アメリカの精神医学会による診断基準では、PTSDの中核症状は主に3つに分かれています。

3つすべてが1ヶ月以上続く場合にPTSDと診断されます。

 

【再体験】

・トラウマ体験を思い出す。似たような状況におかれたとき不安や恐怖を感じる。

 

【回避・まひ】

・体験を思わせるもの、状況、場所、人などをさける。体験のことを思い出そうとしない。

 

【過覚醒】

・小さなことを気にするようになり、なんでもないことで驚いたり、怒ったりする。

・事件のことを思い出して気分が悪くなり仕事に集中できない。

 

◆対応◆ *事件後の変化を自覚する。

 

・事件後に自分の身に起きた変化のなかに、PTSD症状があります。

どのような変化があるか自覚して、そこを改善していくことが適切な対応です。

 

*心身や生活の変化を知る

*変化した部分を元に戻す

 

 

 

 

 


※参考文献
*「PTSDとトラウマのすべてがわかる本」2007 飛鳥井望/監修 講談社

*「PTSD治療ガイドライン エビデンスに基づいた治療戦略」 金剛出版
 エドナ・B・フォア、テレンス・Mキーン、マシュー・J・フリードマン/編

 

 

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知性化(防衛機制)

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● 防衛機制(※A・フロイト)の中に「知性化」があります ●


「割り切れないもの、非合理的なもの、情緒的なものを知的に割り切ろうとすること」

・「知性化」は、アンナ・フロイトによって理論化された防衛機制のひとつで青年期によくみられる。

アンナ・フロイトによれば、自我に必要な能力のうち、
一般的かつ最も必要な初期に獲得されるべき能力のひとつとされている。
自我が不安をコントロールし、緊張を減少させるために、
心の葛藤や、感情、欲動などを衝動的に解放せず、それらを論理的にとらえて、
意識的に処理できるようにコントロールしようとするプロセス。



知性化」が働くと、感情や衝動欲求を直接的に表現したり、解放するのではなく、

もっぱら知性の働きによって観念的に対処してしまいます。

計算でもするかのようにアタマ(左脳)だけを使う感じでしょうか・・。



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心理学講座や本で知識を豊富にしていくと、この知性化がおこる場合があります。

「知性化」がおこると自分の問題がすべて解決できたような錯覚に陥るかもしれません。

この錯覚から抜け出すには、様々な方法を使ってひとつひとつ、

自分のカラダの内面に覚えさせていく作業(訓練)を繰り返していきます。


自転車で言えば「バランスをとり怪我しないように効率よく上手に乗りこなすこと」でしょうか。

そうなるためにはやはり、「練習」が必要ですね^^。

トレーニング中、なかなか思い通りにならないなぁ~と強く感じることもあります。

(知性化は、第2段階でしょうか。一番難関な段階かもしれません)


カウンセラーは伴走者になることはできますが「走者」そのものにはなれません。

主人公の「走者」はもちろん!あなた自身だからです。



【各段階】

● 第1段階:知識がない状態

● 第2段階:知識はあるができない状態

● 第3段階:意識すれば知識を使ってできる状態

● 第4段階:意識しなくてもできる状態


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※アンナ・フロイト(1895~1982)

精神分析の創始者:ジークムント・フロイトの末娘。1918年、父から精神分析を学ぶ。
「ウィーン生まれ:イギリスの精神分析家」「児童精神分析」の開拓者

子どもの精神分析に取り組み、両親の協力と治療を重視し、
自由遊びを中心とした児童分析を行った。

「遊戯療法」の先駆者。著書に「児童分析技法入門」(1927)がある。

防衛機制という言葉を初めて用い、
抑圧、退行、反動形成、隔離、投影、否認などを取り上げた。

 

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※参考文献:「自我と防衛」1936 アンナ・フロイト/著 誠信書房
※参考文献:「臨床心理学キーワード」2005 坂野雄二/編 有斐閣

子どもの権利

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児童憲章(じどうけんしょう)

制定日:1951年(昭和26年)5月5日(こどもの日)



「 われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、

  すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。

  児童は人として尊ばれる。児童は社会の一員として重んぜられる。

  児童はよい環境の中で育てられる。 」     (「児童憲章」前文より)

 

児童憲章の条文】



一 すべての児童は、心身ともに健やかにうまれ、育てられ、その生活を保証される。


二 すべての児童は、家庭で、正しい愛情と知識と技術をもって育てられ、 
   家庭に恵まれない児童には、これにかわる環境が与えられる。


三 すべての児童は、適当な栄養と住居と被服が与えられ、また、疾病と災害から守られる。


四 すべての児童は、個性と能力に応じて教育され、
   社会の一員としての責任を自主的に果たすように、みちびかれる。


五 すべての児童は、自然を愛し、科学と芸術を尊ぶように、みちびかれ、
   また、道徳的心情がつちかわれる。


六 すべての児童は、就学のみちを確保され、また、十分に整つた教育の施設を用意される。


七 すべての児童は、職業指導を受ける機会が与えられる。


八 すべての児童は、その労働において、心身の発育が阻害されず、
   教育を受ける機会が失われず、
   また、児童としての生活がさまたげられないように、十分に保護される。


九 すべての児童は、よい遊び場と文化財を用意され、悪い環境からまもられる。


十 すべての児童は、虐待・酷使・放任その他不当な取扱からまもられる。
   あやまちをおかした児童は、適切に保護指導される。


十一 すべての児童は、身体が不自由な場合、または精神の機能が不充分な場合に、
    適切な治療と教育と保護が与えられる。


十二 すべての児童は、愛とまことによつて結ばれ、
    よい国民として人類の平和と文化に貢献するように、みちびかれる。

 

 

 

 


※参考文献:「児童憲章」

 

 

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