心理学: 2018年4月アーカイブ

リカレント教育

|


リカレント教育


スウェーデンの経済学者であるレーンが初めに提唱し、

1970年代に経済協力開発機構(OECD)で取り上げられ、

国際的に知られるようになった生涯教育構想。

義務教育や基礎教育を終えて労働に従事する職業人になってからも、

個人が必要とすれば教育機関に戻って学ぶことができる教育システムを指します。

 


リカレント(recurrent)は、

反復、循環、回帰を意味する言葉であり、

日本では回帰教育や循環教育と訳されることもあります。

急速に変化する社会に適応していくためには、

教育は人生の初期だけで終わりではなく、

生涯にわたり続けていくことが重要であり、

必要に応じて個人が就労と交互に行うことが望ましいと提言しています。

 

 

【欧米】


近年世界的に注目を集めているリカレント教育ですが、

実際の取り組み状況は各国によって異なります。

特に欧米と日本では、社会的慣行の影響もあり、状況の差異は大きくなっています。

 

欧米は、本来のリカレント教育の概念に近い取り組みが進んでいます。

もともと欧米の労働市場は流動性が高く、

キャリアアップのために社会人になってから

教育機関で学習するシステムを取り入れやすい状況にありました。

 

欧米のリカレント教育は、仕事をし始めてからも、

学習機会が必要となった場合は、

比較的長期間にわたって正規の学生として就学することを推奨しています。

個人の職業技術や知識を向上するために、

フルタイムの就学とフルタイムの就労を交互に繰り返すことができます。

 

リカレント教育の取り組みの具体例としては、ス

ウェーデン、フランス、イタリア、ベルギーなどの有給教育制度、

アメリカのコミュニティカレッジなどが挙げられます。

 


【日本】


一方日本では、高度経済成長期を経て社会的に長期雇用の慣行があるため、

社会人になってから教育機関にもう一度戻って学習するというというシステムは

馴染みにくい状況となっています。

仕事に必要な技術や知識は、キャリアを中断して外部で学ぶのではなく、

就職した企業内で習得していくのが通例です。

 

日本においても、転職でのキャリアアップを目指す人が増加するなど働き方が多様化しており、

キャリアアップに必要なスキルを身につける方法として

リカレント教育が注目されています。

 

しかし、本来のリカレント教育の概念のように正

規の学生としてキャリアを中断して就学することは難しい現状があります。

そのため、日本ではリカレント教育の概念が諸外国よりも広義に解釈されており、

企業で働きながら学んだり、仕事でなく生きがいのために学んだり、

学校以外の場で学んだりする場合も含む言葉として使われています。

 

日本におけるリカレント教育の取り組みの具体例としては、

大学の社会人入学制度、社会人特別選抜制度、科目等履修生制度、

夜間部・昼夜開講制度、通信教育、公開講座、専門職大学院、

サテライトキャンパスなどが挙げられます。

 

高等学校や専門学校、高等専門学校でも、

公開講座という形でリカレント教育の取り組みを行なっている学校もあります。

 


◆長期雇用が慣行となっている日本でも、

近年はリカレント教育の重要性が認知され始めています。

 

背景としては、転職でのキャリアアップや女性の社会進出の増加によって、

職業技術や知識を外部の教育機関で学習したいというニーズが出てきたことが考えられます。

 

男性中心の長期雇用が前提であれば、

企業内教育のみに依存していても、

働いていく中で自然と仕事上必要な知識や技術が身についていきました。

 

しかし、転職を前提とし、短期間で企業を変えていったり、

女性が産休育休を挟んでキャリアを積んでいったりするのであれば、

企業内教育で継続的に仕事上必要な技術や知識を身につけることは難しくなります。

自分のキャリアパスに合わせて、自ら学習機会を作ることが求められます。

 


◆このように企業内教育の穴を埋め、学習ニーズを満たすシステムとして、

リカレント教育は注目されています。

ただ、実際に日本でリカレント教育を実践していくためには

多くの課題を解決する必要があります。

 

例えば、日本におけるリカレント教育に関する公的な補助や支援制度、

関係機関の連携は未発達な部分が多い上に情報も少なく、

労働を中断して教育に参加することが難しい現状があります。

 

欧米のような有給教育制度がある企業は、

日本ではまだ多くはありません。

 

リカレント教育の機会が得られたとしても、

教育費用が増大した場合の行政からの支援や給付金が少なく、

学習者の負担が大きくなるリスクも懸念されます。

そして、社会人が受講できる教育機関や生涯学習関連機関、

カリキュラムも未だ不十分と言えます。

 

キャリアアップとしてリカレント教育のシステムを活用することは、

日本の一般的な社会人にとってはハードルが高い状況となっています。

現在、文部科学省や地方自治体では、

生涯学習審議会や生涯学習センターなどを設置し、

「生涯学習社会」の実現に向けて動いている流れがあります。

 

今後社会人が学びやすい環境が整備されていくのか注目されます。

 

 


◆リカレント教育とは、1970年代から国際的に知られるようになった生涯教育構想である。

急速に変化する社会に適応するために、

義務教育が終わり社会に出てからも、個人が就学と就労を交互に行いながら、

仕事に必要な知識や技術を学び続けることが望ましいと提唱している。

 

•労働市場が流動的な欧米では、リカレント教育の取り組みは進展している。

リカレント教育の本来の意味通り、

個人が仕事に必要な知識や技術を取得するために、

フルタイムの就学とフルタイムの就労を繰り返すことができる環境が整備されつつある。


•一方日本では、働き方が多様化する中でリカレント教育の有用性は認知されつつあるものの、

長期雇用の慣行があるため、環境の整備は未熟である。現

状は、働きながら学んだり、生きがいのために学んだりできる社会人大学院や通信教育が、

学習活動の場として活発に活用されている。

 

 

 

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 

 

 

 

PM理論|三隅二不二

|

PM理論

 

 

日本の社会心理学者の三隅二不二氏が1966年に提唱した、

リーダーシップ論。

 

 

「目標達成行動-目標を達成するP(Performance function)機能」と

「集団維持行動-人間関係に配慮し,

集団を維持しようとするM(Maintenance function)機能」の

2つの能力要素により、リーダーシップは構成されているという理論。

 

この2つの能力の大小により、4つの型に分類。

P機能が大きい場合は、大文字のP、

小さい場合は小文字にp、

同様にM機能が大きい場合は、大文字のM、

小さい場合は小文字にmと記すことで、

PM型、Pm型、pM型、pm型と表記。

 

P機能、M機能、いずれも優れているPM型を、

理想のリーダー像と位置付けたこの理論は、

組織が戦略を練るための、人事的な分析材料として用いられている。


 


◆三隅 二不二(みすみ じゅうじ/じふじ、(1924~2002)は、日本の心理学者。

専攻は社会心理学。文学博士。

 

クルト・レヴィンによって創始されたグループ・ダイナミックス(集団力学)を日本に紹介し、

その普及と発展に力を注いだ。

リーダーシップを

パフォーマンスとメンテナンスの2つの機能の複合として捉える

PM理論で世界的に知られる。

 

 

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆

 

 

 

 


◆クルト・レヴィン

Kurt Lewin クルト・レヴィン(1890~1947) 

クルト・レヴィン(Kurt Zadek Lewin, (1890~1947)

心理学者。社会心理学者 。

ドイツのモギルノ(Mogilno) (現在はポーランド領) 生まれでユダヤ系。

「ツァイガルニク効果」の研究や「境界人」の概念の提唱で知られる。

 

 

 

【概要】

ゲシュタルト心理学を社会心理学に応用し、トポロジー心理学を提唱した。

ベルリン大学の哲学と心理学の教授を務めていたが、

ナチスの政権掌握で、ユダヤ人の学者は大学から追放された。

海外に出ていた彼は、1933年8月にアメリカに亡命し、

1940年にアメリカの市民権を取得した。

 

コーネル大学教授

マサチューセッツ工科大学(MIT)にグループダイナミクス(集団力学)研究所を創設。

 

「社会心理学の父」と呼ばれ、

アイオワ大学の博士課程でレオン・フェスティンガーなどを指導した。

リーダーシップスタイル(専制型、民主型、放任型)と

その影響の研究、集団での意思決定の研究、

場の理論や変革マネジメントの「解凍―変化―再凍結」モデルの考案、

「アクションリサーチ」という研究方式、

グループダイナミクスによる訓練方法(特にTグループ)など、

その業績は多方面にわたる。

 

 


 

 

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆

 

 

 

 

 

研究を通して得た結論:概念

 

 ◆「P」機能:「目標達成機能」(Performance)

 ◆「M」機能:「集団維持機能」(Maintenance)

 

「pm」「Pm」「pM」「PM」と4つのタイプが示されています。

双方が小文字の「pm」は、P機能、M機能ともに「弱い」ことを意味します。


逆にふたつが大文字の「PM」とは、目標達成への意識高く、

チームをまとめようとする意識も強く、

実際に、そうした行動をとっているリーダーのタイプを意味します。


 

 

 

 

◆PM理論は父性と母性の論ともいえる

リーダーシップの科学の本画像「集団におけるリーダーシップとは、

集団の目標達成や課題解決を促進し、集団に胚胎する崩壊への傾向を抑制して、

集団の維持を強化する集団機能を代表するものである。

一方、集団の側から考えれば、

集団が困難に遭遇してその脱出にあえいでいればいるほど、

その困難を克服してくれる父親のように強力で

頼りがいのあるリーダーの出現を求める。

 

また、集団が内部葛藤・対立に疲労困ぱいして、

崩壊への危機をはらんでいるときには、

母親のように許容的であり寛容で、理解と支持を示し、

すべてを受容してくれるリーダーシップを求めるであろう」

 

「リーダーシップの科学」 三隅二不二/著  講談社

 

 

 


P機能は、「成果」や「目標」を達成するための厳しい「父性」であり、

M機能は、チームをまとめるための「優しさ」「包容力」など「母性」です。

父性と母性の関連することから、

Pを「パパ」のP、Mを「ママ」のMとし、

PM理論は、「パパ・ママ理論」と呼ばれることもあります。

 

 

父なる厳しさ(父性)で成果をあげて、

母なる優しさ(母性)でチームをまとめる優れたリーダーは

「PM型」であるというのが、三隅氏のPM理論。

 

 

実は複雑であり、実際には、父性と母性だけを意識しても、

リーダーシップが強化されるとは限りません。

その他の様々な資質がリーダーシップには求められます。

 

 

 

 

 

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆

 

 

 


公認心理師法は、

平成27年9月9日に議員立法により成立し、9月16日に公布され、

平成29年9月15日に施行されました。

 

 

【公認心理師】

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、

公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、

心理学に関する専門的知識及び技術をもって、

次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。


(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

(2)心理に関する支援を要する者に対する、

   その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、

   指導その他の援助

(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

 

 


公認心理師法概要


【目的】

公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、

もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。

 


【定義】

「公認心理師」とは、公認心理師登録簿への登録を受け、

公認心理師の名称を用いて、

保健医療、福祉、教育その他の分野において、

心理学に関する専門的知識及び技術をもって、

次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。

① 心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

② 心理に関する支援を要する者に対する、

  その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

③ 心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、

  指導その他の援助

④ 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

 

 

 

【国家試験】

公認心理師として必要な知識及び技能について、

主務大臣が公認心理師試験を実施する。

受験資格は、以下の者に付与する。

 

 

① 大学において主務大臣指定の心理学等に関する科目を修め、

  かつ、大学院において主務大臣指定の心理学等の科目を修めて

  その課程を修了した者等

② 大学で主務大臣指定の心理学等に関する科目を修め、

  卒業後一定期間の実務経験を積んだ者等

③ 主務大臣が①及び②に掲げる者と同等以上の

  知識及び技能を有すると認めた者

 

 

 

【義務】

1 信用失墜行為の禁止

2 秘密保持義務(違反者には罰則)

3 公認心理師は、業務を行うに当たっては、

  医師、教員その他の関係者との連携を保たねばならず、

  心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治医があるときは、

  その指示を受けなければならない。

 

 

 

【主務大臣】

文部科学大臣及び厚生労働大臣

 

 

 

【経過措置】

既存の心理職資格者等に係る受験資格等について、

所要の経過措置を設ける。

 

 


☆第1回公認心理師 国家試験は、平成30年9月9日に実施予定。

 

 

 

☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆

 

 

 


【公認心理師】(こうにんしんりし)とは、

公認心理師法を根拠とする日本の心理職国家資格である。

 


【心理職の国家資格】

名称独占資格として規定される(第44条第1項)とともに、

資格創設(全面施行)以降、

公認心理師の有資格者以外は、

「心理師」という文字の使用禁止が規定された(第44条第2項)。

 

 


◆公認心理師は、現行の「臨床心理士」と同様、

教育、医療・保健、福祉、司法・矯正、労働・産業、学術・研究など、

多岐にわたる活動領域を想定しており、

特定の分野に限定されない「汎用性」「領域横断性」を特長とする

心理職国家資格を旨とするものである。

そのため、文部科学省と厚生労働省による共管とされ、

主務大臣は文部科学大臣と厚生労働大臣と規定されている。

 

 


◆公認心理師が行う心理的行為としては、

「心理検査」「カウンセリング」「心理療法」といった

「心理的支援」や「コンサルテーション」、「心理教育」等を想定して、

「一、心理に関する支援を要する者の心理状態の観察・分析」

「二、心理に関する支援を要する者との心理相談による助言・指導」

「三、心理に関する支援を要する者の関係者との心理相談による助言・指導」

「四、メンタルヘルスの知識普及のための教育・情報提供」の

4種が掲げられている(第2条)。


 

 

この点は現行の臨床心理士の専門業務

(①「臨床心理査定」②「臨床心理面接」③「臨床心理学的地域援助」

④「①~③に関する調査・研究」)を鑑み、規定された。

但し、公認心理師は臨床心理士にとって変わるものではなく、

臨床心理士の資格は今後も残り、

公認心理師と共存していくものと考えられている。

 

 

 

 

 ☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:* .。.:*・゜☆

 

 

 

 

このアーカイブについて

このページには、

2018年4月

以降に書かれたブログ記事のうち

心理学

カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは心理学: 2018年2月です。

次のアーカイブは心理学: 2018年5月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。